2015.09.28 Monday
"戦える選手"とは
JUGEMテーマ:清水エスパルス
天皇杯で藤枝に惨敗した日のコメントからでしょうか。
田坂監督が"戦えない選手""戦える選手"という言葉をよく使うようになりました。
あの試合は、全てのクオリティにおいて藤枝を上回るべき試合でした。
パスの精度、シュート精度、判断力、スピード、スタミナ…。
それぞれが実際にどうであったかは判断しかねますが、少なくとも"闘争心"という点では完全に清水が負けていました。
サッカーにおいて、最も重要なポイント。
不運が重なっての偶然の敗戦ではなく、負けるべくして負けた試合でした。
試合後の田坂監督のインタビューからは、その荒ぶる語気から怒りのようなものが伝わってきました。
責任は選手にあるのか、それとも監督にあるのか、という議論はあると思います。
監督が選手を責めるべきか、庇うべきか、という議論も。
どれも否定はできません。
ただ、田坂監督の発言は、メディアやサポーターに対してではなく、選手たちへのメッセージであったのだろうと思います。
きっと、三保でも同じ話をしたでしょう。
あの場面で「わたしの責任です」と言ったところで、何も起こらないわけで、おいらが気にしたいところは、次の試合にどう生かすのかということのみです。
残念なことに、あの試合以来、チームの状況はさらに下降しています。
何をもって"戦えない選手"なのか。
何をもって"戦える選手"なのか。
例えば、声。
これはずっと以前から言われていたことです。
かつてチームに所属していた高原も、このチームの課題として声がないということを指摘していました。
三保での練習試合では、相手の大学生の方がよく声を出している光景を何度も見ました。
声を出せばいいという話ではありませんが、"戦う"上では必要なことだと思います。
例えば、球際。
広島戦では、一対一で悉く負けていました。
少し前にはできていた体を張ったプレーが、あまり見られませんでした。
体を張る以前にさらりと相手にかわされて、ピンチになったり失点したりしました。
いわゆる"軽さ"が、"戦えていない"印象を与えています。
例えば、運動量。
特に、ボールを保持していない時の動き。
スタンドから見ていて、パスコースが見えないシーンが何度もありました。
ボールをもらう効果的な動きや、相手選手との駆け引きの乏しさを感じました。
例えば、集中力。
相手にリードを許した後、ガクンと落ちるパフォーマンス。
前回の記事にも書きましたが、大量失点は決して"前がかりになったから"ではないと思います。
例え前がかりになっても防げたはずの失点だと思います。
昨季の終盤に見せてくれたような、辛抱強さや粘り強さが、今は見られません。
例えば、細部への拘り。
パスを出すタイミング、スピード、方向。
ラインの上げ下げ。
セットプレーにおけるタクティスの徹底。
練習で積み上げたものを、どれだけ試合で表現できるか。
どこまで拘りをもってやれるのか。
ミスが多く見られることは、単純に技術の問題ではないように思います。
広島戦では、試合中に選手同士でかなり激しい言い合いがありました。
スタンドからもその様子は確認できましたが、当然内容まではわかりません。
ただ、失点シーンに関するものなのだろうと想像はつきます。
これに対して、主に他サポさんから揶揄されています。
「チームがバラバラ」だと。
今の状況が一致団結しているようには見えないので、否定はできません。
その通りなのだと思います。
ただ、そもそもこれまでのチームは、選手同士でぶつかることさえできなかった、とも思います。
今の状況になるまでに、もっともっとぶつかるべきシーンはあったはずです。
そういう意味では、いろいろなことが"なあなあ"になっていた以前よりはチームは前進していると考えることもできるかもしれません。
田坂監督の言う"戦う"とイコールかどうかはわかりませんが、今の状況を打開するには、それなりの激しさと厳しさはなければならないと思います。
今、チームメイトに"檄"を飛ばせる選手は、昨季の残留争いを経験していない、"新しい選手"ばかりです。
これまでのチームにはなかった"色"が出始めています。
ボロボロになった今のチームが生まれ変わるためには、必要な過程だろうと思います。
遅すぎるタイミングではありますが、地が固まるまで雨を降らせるべきだと思います。
雨水で泥まみれになった中でも、それを乗り越えて"戦える選手"が、今は必要なのかもしれません。
『最下位のサッカー 〜 J1(2nd)第12節 広島戦@アイスタ 参戦後記』(2015/9/27)
『三保の風景(9/22) 〜 今、たりないもの』(2015/9/23)
『顔を上げて戦えるか 〜 J1(2nd)第11節 浦和戦@エコパ 後記』(2015/9/21)
関連:清水エスパルス、
at 23:56, macotobatten, クラブについて
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