2015.06.30 Tuesday
ラストゲーム 〜 J1(1st)第17節 F東京戦@味スタ 後記
JUGEMテーマ:清水エスパルス
2015/6/27(土) 19:00 KICK OFF
FC東京 3-2 清水エスパルス(前半1-0)
【入場者数】
41,363人
【得点】
38分 東 慶悟(F東京)
51分 大前 元紀(清水)
60分 前田 遼一(F東京)
66分 前田 遼一(F東京)
83分 石毛 秀樹(清水)
【出場選手】《清水のみ》
GK 櫛引 政敏
DF 枝村 匠馬
(→77分 FW 澤田 崇)
DF ヤコヴィッチ
DF 福村 貴幸
DF 犬飼 智也
MF 竹内 涼
MF 水谷 拓磨
(→57分 MF 石毛 秀樹)
MF 金子 翔太
MF 河井 陽介
(→86分 MF 高木 善朗)
FW 大前 元紀
FW ピーター ウタカ
【警告・退場】
54分警告 金子 翔太(清水)【ラフプレー】
84分警告 石毛 秀樹(清水)【ラフプレー】
【主審】
山本 雄大
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マインツへ移籍する武藤を見送るべく、味スタはFC東京サポーターで溢れかえりました。
チケットは完売。
BS1の中継も、主語の多くは武藤であって、おそらくそれを見ていた多くの視聴者も武藤目線で試合を見ていたのだと思います。
武藤にとっての国内ラストゲームは、ゴールこそなかったものの、その持ち味は十分に発揮し、まさに武藤のための試合となりました。
清水サポーターにとっては、そんなことを気にしている場合でない試合でした。
前節で10年ぶりの最下位に転落。
この試合で負けるようなことになれば、2ステージ制が復活してから最初のステージ最下位という不名誉な記録が残るという状況でした。
今季の清水を象徴するような試合でした。
決して何もさせてもらえなかったわけではありませんでした。
「あのチャンスを決めていれば」
そんな場面が続く中で、ミスからの失点。
カウンターに対応しきれずに失点。
セットプレーからの失点。
力勝負を挑み、力負け。
今季の敗戦の多くが、そういった形でした。
このサッカーを貫く上では、強気に攻めていくことが重要なのだと思います。
高いリスクを背負っての攻撃。
例え相手が上位にいるクラブであっても、それを貫く。
上手くハマれば川崎F戦のように勝利が転がり込みますが、毎試合そうはいかないということは、これまでの戦いが示しています。
それでも、「自分たちのサッカー」としてこのまま突き進むのだという決意のようなものを感じた試合でした。
希望を見出すとすれば、2得点を挙げたこと。
特に石毛のゴールは素晴らしいものでした。
川崎F戦から数えて3ゴール目。
その全てがペナルティエリア外から。
こういったゴールが続けば、相手にとって脅威となれるでしょう。
それに対して、もう我慢の限界だという人もいるでしょう。
引いて守るサッカーに切り替えるべきだとか、監督交代をすべきだとかいう考えを抱く人も増えてきている、いや、多くのサポーターがそう思っているでしょう。
それでも、大榎監督が出した答えは「貫く」であったし、フロントとしても"続投"という判断をしたようです。
ゴトビ監督の去就が騒がれた時も、今回も、自分の考えは同じです。
判断はクラブに委ねると。
自分はサッカーに関しては素人であり、クラブ経営についてはさらに無知な分野になります。
個人的に思う部分は多少はありますが、ここに書けるほど大層な理論は持ち合わせていません。
今できることは、大榎監督の「貫く」を応援することだろうと思っています。
ただ、一つ思うところがあります。
「ラストゲーム」
この意識を、選手たちがどれだけもっているのか。
ゴトビ監督の頃には、どこからともなく不協和音が聞こえてきたものでした。
それが後になって、選手との大きな溝を生み出すことになりました。
監督の手腕や成績というもの以前に、チームとして"Family"と呼ぶには程遠い状態に陥ったことにより、監督に「そんなに俺を辞めさせたいのか」という、"言ってはいけない"言葉を言わせてしまいました。
おそらく、選手たちの中には「ゴトビ監督のために」という思いはなかったのだろうと想像します。
非常に残念なことですが、それを強要することはできません。
ゴトビ監督のやり方にも問題があったのだと思います。
今はどうなのでしょうか。
クラブとしては、一時代を築いた"レジェンド"。
昨季は、最もチームが苦しい状況の中で、火中の栗を拾うような形での監督就任。
おそらく、大榎監督自身が、そのキャリアからしても厳しい戦いになるだろうという覚悟をしていたのだろうと思います。
それでも、ギリギリのところでJ1残留を果たしました。
選手たちから大榎監督についての言及があまり見られないのが気になっています。
あれほどにコミュニケーションを密にしたいと言っていた大榎監督からも、こんなことを話し合ったとか、言い合ったとか、そういったことが聞こえてきません。
言及するまでもないくらいにコミュニケーションが取れているならいいのですが。
通常であれば、ちょうど1シーズン分を戦ったこの時期でこの成績は、監督としての任を解かれる可能性が高いものだと思っています。
FESでの大榎監督の挨拶からも、そういった覚悟をしているというニュアンスが伝わってきます。
このタイミングで解任されるのではという思いは、おそらく持っていたのでしょう。
選手の方はどうか。
昨季の「ラストゲーム」は最終節の甲府戦でした。
チームの運命がかかった試合でした。
守って、守って、守り抜いた試合でした。
後先がどうよりも、この試合で残留を決めるんだという執念が伝わってきました。
お世辞にも良い試合内容ではなかったし、美しい試合でもありませんでした。
それでも、胸が張り裂けるような想いで90分間を戦いました。
まさに、「ラストゲーム」の覚悟の中での試合だったように思います。
2015シーズンは1stステージを終え、折り返し点に到達しました。
2ndステージは、昨季のように最終節だけでああいった戦いをすれば残留できるようなステージにはならないでしょう。
かなり早い段階から、「ラストゲーム」を意識しなければならなくなると思います。
とことん貫けばいいと思います。
ただ、一試合一試合を「ラストゲーム」のつもりで戦うスピリットがなければ、意味のないものになるでしょう。
「残留決定」も「降格決定」も、まだまだ先の話。
でも、その足音は思っているよりも早いペースで迫ってきます。
のらりくらりと理想だけを思い描いていては、理想に辿り着く前に空中分解が起こるでしょう。
残り4か月。
毎試合が「ラストゲーム」。
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『格下と各上 〜 J1(1st)第16節 甲府戦@アイスタ 後記』(2015/6/21)
『サバイバル、富士山ダービー』(2015/6/18)
『ボールポゼッション率と勇敢さ』(2015/6/10)
関連:清水エスパルス、FC東京、味の素スタジアム
at 00:39, macotobatten, 試合 後記
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