雨降って地固まったか 〜 PSM 甲府戦@愛鷹 参戦後記

JUGEMテーマ:清水エスパルス

2015/2/22(日) 14:00 KICK OFF

清水エスパルス 1-0 ヴァンフォーレ甲府(前半1-0)

【入場者数】
3,498人

【得点】
12分 長沢 駿(清水)

【出場選手】《清水のみ》
GK 櫛引 政敏
DF 三浦 弦太
DF ヤコヴィッチ
DF 平岡 康裕
DF 犬飼 智也
   (→61分  DF 鎌田 翔雅)
MF 八反田 康平
   (→79分  MF 六平 光成)
MF 本田 拓也
MF 村田 和哉
MF 竹内 涼
   (→84分  FW 澤田 崇)
FW 大前 元紀
   (→79分  MF 枝村 匠馬)
FW 長沢 駿
   (→61分   FW 北川 航也)

【警告・退場】
07分警告 長沢 駿(清水)

【主審】
岡 宏道

==========

「勝利に拘る」

試合前には大榎監督も選手たちも、こう言っていました。

PSMでは、便宜上そういった表現をすることが多々あると思いますが、この試合においては、おそらく本気で勝利に拘っていたのだと思われます。

そういった意識の高さ、集中力というものが、試合の随所で見られたし、試合後の選手たちのコメントを読めば、この試合をいかに重要なものだと考えていたかが読み取れます。


勝利に拘り、なおかつ無失点をめざす。

内容がどうであれ、試合前に自分たちが自らに課したノルマを達成しただけで、この試合の価値は十分にあったと思います。


嬉しいことは、達成したのがノルマだけではなかったということです。

大榎監督「中央を消しながら距離感を大事にして、サイドへ追い込もうと。」

拓也「そこからのショートカウンターの形はトレーニングでもやってきたことなので、それが何度かできたのも良かった。」

平岡「映像を見ながら個人の動きや全体の動きを確認し、みんなと話してきた。」

駿「11人全員、守備意識が高かったし、そのあとの攻撃につながる展開も良かった。」

村田「自分が思い描いていた通りのプレーだった。」

これらのコメントのいずれもが、これまでやってきたことをこの試合で表現できたことを示しています。


課題だらけだった鹿児島キャンプ。

また同じことを繰り返すのか…。

開幕戦までに間に合うのか…。

不安を掻き立てるような、そんなキャンプでした。

それは、おそらく選手たちも同じだったのだろうと思います。

そこで迷うことなく、しっかりと自分たちの方向性を掴み、この試合までに整えてくることができました。


守備ラインは、これまでさまざまな形が試されましたが、弦太、ヤコヴィッチ、平岡、犬飼の4人を並べる、いわゆる「4CB」という形をとりました。

この形の一番のメリットは、その高さ。

大榎監督も、昨季の課題として空中戦に弱かったことを挙げています。

この試合では、それほど空中で競り合うシーンはありませんでしたが、やはり本職CBだけあって、守備においては体を張れると感じました。

対人守備において、対応が遅れるといったようなことはほとんど見られず、見ていてある程度は安心感のもてる守備でした。

大榎監督のコメントにあるように、中央をまずはしっかりと固めることに重きを置き、そうすることで、それほどラインを下げずとも相手に裏を突かせない守備ができていました。

甲府の攻撃にあまり怖さがなかったこともありますが、無失点は大いに評価できます。


攻撃においては、多くの方が言われているように、駿の存在が大きく感じました。

決勝点となったヘディングシュートはもちろんですが、テンポの良いワンツーパス、空中での競り合いなど、どのプレーをとっても、非常に質の高いものを見せてくれました。

駿を軸にしながら、村田、元紀、竹内が絡み合う攻撃は、非常に多彩で、魅力的でした。

フル出場を果たした村田も、右サイドを中心に存在感を見せました。

持ち前のスピードはもとより、クロスの精度とスタミナも大きく向上。

外国籍選手にその座を譲るつもりは一切ないと言わんばかりのアピールができたと思います。

トップ下に入った元紀も、現地ではあまり目だなかったのですが、後から見直せば、非常に効いていたように感じました。

フィニッシャーとしての見せ場は、後半に立て続けに放った2本のシュートくらいでしたが、攻撃の起点としては、何度もチャンスを生み出していました。

攻撃は、主に前の4人で行っていた印象がありますが、右SBに入った弦太も、長短のある縦パスを入れたり、自らドリブルで上がったりと、バラエティある攻撃参加を見せました。

ただやたらと上がるのではなく、状況を判断しながらプレーしている様子が見て取れました。

これまでにCB、SB、ボランチと、複数のポジションで起用されてきた経験が、生かされているのかもしれません。


DSC_0721.JPG

大げさに言えば、見違えるような試合運びでした。

後半は押し込まれるところがあったにせよ、J1クラブを相手に、対等以上に戦えたことは、大きな安堵を生む理由になります。

雨交じりの愛鷹でしたが、まさに「雨降って地固まる」といったところでした。

鹿児島キャンプでの3試合がなければ、おそらく今日のような"締まった"試合は見られなかったでしょう。

光州との練習試合から数えて、270分間を無失点。

地は固まりつつあります。


この「固まった地」を、今後も緩めるわけにはいきません。

そして、より強固にしていかなければ、甲府以上に仕上がりの良いクラブ相手には、まだまだ敵わないでしょう。


自信と危機感のバランスを取りながら、開幕に向けての準備をすすめる。

ようやく、その土台に乗るところまできたという感じです。

2人の外国人選手を加え、さらに高い土台へ。






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関連:清水エスパルス、ヴァンフォーレ甲府

at 00:33, macotobatten, 試合 参戦後記

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生き残れ 〜 練習試合 甲府戦(2/22)

JUGEMテーマ:清水エスパルス

清水エスパルス 1-0 ヴァンフォーレ甲府
(1本目1-0、2本目0-0)
【45分×2】

【得点】
1本目38分 金子 翔太(清水)

【出場選手】《清水のみ》

(1本目)
GK 杉山 力裕
DF 杉山 浩太
DF 高木 純平
DF 松原 后
DF 宮本 航汰
MF 六平 光成
MF 枝村 匠馬
MF 高木 善朗
MF 金子 翔太
MF 水谷 拓磨 
FW 加賀美 翔

(2本目)
GK 杉山 力裕
DF 高木 純平
DF 内田 健太
DF 松原 后
DF 宮本 航汰
MF 澤田 崇
MF 河井 陽介
MF 高木 善朗
MF 金子 翔太
MF 水谷 拓磨
FW 加賀美 翔


==========

愛鷹で開催された甲府とのPSM。

その前に行われたのが、サテ同士による練習試合。

鹿児島や三保でのそれとは異なり、多くのサポーターに囲まれた中での練習試合は、さながらPSMの前哨戦であり、ある意味、1本目のPSMそのものでもありました。


心配していた雨は、この練習試合が行われた11時から13時の間にはほとんど降ることはなく、風もなし。

ほど良いコンディションの中で行われました。


サテ同士ということで、互いのチームとしての完成度を測るには難しい部分がありますが、少なくとも、選手個々のコンディションはどうなのかという点については、よく見えた試合だったと思います。


鹿児島では失点を重ね続けていた清水ですが、この試合では無失点に抑え、完封勝利。

ゴールマウスを守った力裕は、危ない場面はほとんどなく、落ち着いてプレーできていたように見えました。

キックの精度もありました。

守備ラインには、"元"キャプテンの浩太、最年長としてチームをリードする純平、そしてルーキーの松原と宮本の2人が入りました。

後半には、この若い2人がCBでコンビを組みましたが、それでも失点を許さなかったところは良かった点だと思います。

相手攻撃陣は、オフサイドを連発。

ゴール裏からは詳しい状況がわかりませんでしたが、ある程度ラインも統率できていたのではないかと思われます。

ただ、最終ラインでのボール回しに危うさが見られたのはこれまでと同様で、横に横にボールを回している間に相手FWに詰められて、ボールを失いかけるというシーンは何度かありました。

ボールが短かったり逸れたりしたシーンも多く、これは距離感の問題だと思いますが、修正が必要だと思います。


攻撃面では、特に前半において、右サイドから何度かチャンスを作りました。

相手が3バックで、中央のサイドにややスペースができやすかったこともあると思いますが、そこを純平が上手く突いていました。

流動的にポジションを変えていた善朗のプレーも光っていました。

先制点を挙げたのは金子。

中央から加賀美が枝村に縦パスを出し、金子へのラストパス。

遠目からだったので詳細はわかりませんでしたが、枝村が縦に走り抜けた時に、ゴール裏からもパスコースが見えました。

裏を突く枝村の見事な飛び出しと、一瞬のチャンスを逃さなかった加賀美のパスが生んだゴールだと思います。

おそらく、こういった攻撃が、大榎監督の理想とする形の一つなのだろうと思います。

ただ、こちらもシュート回数自体はおそらく少なく、チャンスは作れどシュートには至らずといった感じでした。


後半からピッチに入って存在感を見せたのは、内田。

時折攻撃参加し、豪快なミドルシュートを2本放ちました。

この後のPSMで左SBに入った犬飼とのポジション争いに、大きなアピールであったと思います。

同じく左の前線に入った澤田は、プレーに絡む回数はそれほど多くはありませんでしたが、そのスピードを垣間見せるプレーも。

今のところ、周囲とのマッチングに時間を要する選手のような印象がありますが、ゴールという結果が出せれば、一気にトップ組に割り込む可能性はあると思います。


PSMでのベンチ入りを兼ねた数名の選手を除き、この試合に出場したサテ組には、あの黄色い新ユニフォームでプレーする機会は与えられませんでした。

それは、リーグ戦が開幕しても同じです。

そして、他のサテ組とは違った色を出していかなければ、その立場は変わりません。


2011年に同じように開催された、愛鷹でのPSM前の練習試合のスタメンです。

GK 櫛引政敏(18)
DF 木島悠(24)
DF 竹内涼(19)
DF 西村佳佑(16)*
DF 藤嵜智貴(16)*
MF 高木俊幸(19)
MF 橘章斗(22)
MF 柴原誠(18)
MF アレックス(27)
MF 江井亮太(16)*
FW 樋口寛規(18)
〔( )内は当時の年齢。*は当時のユース選手。〕

あれから4年。

あの頃に比べれば、チームとしての土台は固まっていると思います。

一方で、ここから生き残れる選手も、ごくわずかだろうとも思います。


純平や浩太といったベテランから、水谷や宮本、松原ら高卒組まで。

この練習試合に出場した選手たちが、トップ組をどんどん脅かすような、そんなシーズンにしてほしいものです。






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at 23:11, macotobatten, 試合 後記

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開幕までのリミット 〜 NYC 浦和戦@鹿児島サ 雑記

JUGEMテーマ:清水エスパルス

2015/2/14(土) 14:00 KICK OFF

清水エスパルス 3-5 浦和レッズ(前半1-3)

【入場者数】
3,443人

【得点】
18分 李 忠成(浦和)
24分 李 忠成(浦和)
29分 武藤 雄樹(浦和)
43分 大前 元紀(清水)
54分 李 忠成(浦和)
65分 李 忠成(浦和)
66分 村田 和哉(清水)
79分 大前 元紀(清水)

【出場選手】《清水のみ》
GK 杉山 力裕
   (→46分  GK 碓井 健平)
DF 犬飼 智也
DF ヤコヴィッチ
   (→73分  MF 水谷 拓磨)
DF 平岡 康裕
DF 鎌田 翔雅
MF 本田 拓也
   (→65分  MF 六平 光成) 
MF 竹内 涼
   (→73分  MF 八反田 康平) 
FW 大前 元紀
FW 澤田 崇
   (→46分  MF 枝村 匠馬)
FW 村田 和哉
MF 白崎 凌兵
   (→73分  FW 北川 航也)

【警告・退場】

【主審】
福島 孝一郎

==========

ハイライトしか見ていないので、雑記です。


ニューイヤーカップという冠がついているとはいえ、位置づけとしては練習試合。

結果が求められる試合ではありません。

重要なのは、これまでのトレーニングの成果を実戦の中で評価し、次の実戦に生かすこと。

これまでに行われた磐田戦と熊本戦では、結果はもとより、こういった位置づけに耐え得るチーム状態にすら至っていない印象を受けました。

つまりは、これまでのトレーニングの成果なるものが、そもそも「戦術的なことはこれから」という中では得られるはずがないと。

それでも、現地にいないのでわかりませんが、惨敗の中からも「今何をやるべきか」を見出しながら、少しずつステップを踏んでいると信じています。


チームが始動してからは初となる、J1クラブとの実戦。

昨季も上位につけた浦和が相手ということで、チームの状態がまだまだの中でも、今の立ち位置を知るよい機会だったと思います。

そして、3-5というスコアよりもキックオフからの30分間で0-3となったということが、その立ち位置を表すのに最も適した事実だと思います。

この試合の直前に行われたサテ同士の練習試合との兼ね合いもあるでしょうが、浦和の方は前半28分には早くも3選手を交代させています。

浦和にとっては賞金300万円がかかっていましたので、勝利というものを意識していたと思いますが、それでも残りの60分間は、"余裕"をもってサッカーができたといえます。


そんな中での、元紀の2得点と村田の1得点。

早々に試合の結果が見えていたということを差し引く必要はありますが、この2人にゴールが生まれたことは嬉しいこと。

ともに、今季はチームをぐいぐいとリードしていってほしい存在。

それも、ピッチ上で。

特に、村田は90分間の出場で、全3得点に絡む活躍。

清水に加入してから、90分間フル出場した試合は、昨季の天皇杯準決勝G大阪戦のみ。

村田が最も"生きる"のは、試合終盤のスペースが多い時間帯だとは思いますが、彼のようなプレイヤーが常にピッチ上にいれば、それもまた相手にとっては脅威。

この試合は、彼が先発メンバーの候補に名を連ねる可能性を高めた試合だといえると思います。

課題といわれている守備についてどうだったのかはわかりませんが…。


3試合行ったニューイヤーカップは、全敗で単独最下位。

不安が残ることは否定できません。

チームとしての仕上がりがまだまだとはいえ、浦和はACLがあるとはいえ、どのクラブも同じタイミングでリーグ開幕戦を迎えるわけで。

現時点での、他クラブとの大きな差を見せつけられました。


開幕まで、残り3週間です。

20日には、三保で光州との練習試合。

22日は、愛鷹で甲府とPSMと練習試合。

おそらくその翌週末にも練習試合が組まれることになると思います。

確実に段階を上げていかなければ、苦しい状況のままで開幕戦を迎えることになります。

今季の前半は、例年以上に過密です。

始まってしまえば、息つく暇はないでしょう。

苦戦することは覚悟済みですが、開幕後に"迷う"ことは避けたいものです。

迷った先にある結果は、あまり考えたくありません。


残り3週間で、確固たる信じるモノがほしい。






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関連:清水エスパルス、浦和レッズ

at 09:36, macotobatten, 試合 後記

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「叩き台」「+α」 〜 NYC 熊本戦@鹿児島サ 後記

JUGEMテーマ:清水エスパルス

2015/2/11(水祝) 14:00 KICK OFF

ロアッソ熊本 1-0 清水エスパルス(前半0-0)

【入場者数】
1,930人

【得点】
84分 齊藤 和樹(熊本)

【出場選手】《清水のみ》
GK 碓井 健平
   (→46分  GK 杉山 力裕)
DF 犬飼 智也
DF ヤコヴィッチ
   (→46分  DF 三浦 弦太)
DF 平岡 康裕
DF 鎌田 翔雅
MF 六平 光成
   (→85分  MF 水谷 拓磨)
MF 八反田 康平
   (→46分  MF 本田 拓也)
MF 枝村 匠馬
   (→65分  MF 石毛 秀樹)
MF 澤田 崇
   (→57分  MF 高木 善明)
FW 大前 元紀
   (→65分  FW 村田 和哉)
FW 北川 航也
   (→57分  FW 白崎 凌兵)

【警告・退場】
08分警告 犬飼 智也(清水)

【主審】
山本 雄大

==========

前半だけで、決定的なシーンが少なくとも5回はありました。

いずれも、熊本が清水のゴールに迫ったシーン。

J1とJ2の力の差がなってきているとはいえ、まだまだ開幕まで1か月近くあるとはいえ、フィジカル面で追い込んでいる真っ最中とはいえ、磐田戦と併せての2連敗からは、不安を掻き立てられます。


先発メンバーは、磐田戦から何人かを変更してきました。

GKは、櫛引の代表招集に伴って、これまで離脱なくアピールを続けてきた健平が。

DFラインは、平岡とヤコヴィッチが復帰したことで、犬飼を右SBに、鎌田を左SBに。

中盤は、磐田戦で負傷した拓也をベンチに回し、六平、八反田、枝村の3人。

前線は、元紀と澤田はそのままですが、CFには磐田戦でゴールを挙げた北川が。

枝村、八反田、北川の先発起用は、磐田戦のパフォーマンスを大榎監督がしっかりと評価したことの表れでしょう。


しかし、試合が始まってみれば、熊本の積極的なプレスに後手後手な展開。

安易なボールロストやパスミスを連発。

それも、攻撃へ切り替えた直後であったり、自陣最終ラインであったりと、奪われてはいけないタイミングでのロストが多く、それが相手の決定機を呼び込むきっかけにも。

守備陣は、前半のうちに"致命的"なミスをそれぞれが1回ずつは犯してしまっていたと思います。

磐田戦の課題の一つであったSBの攻撃参加も、むしろそこを相手に狙われ、簡単に潰されるばかり。

北川も、磐田戦のようなチャンスを迎えることもなく、ほとんどプレーに絡むことができませんでした。

全体的に、プレーの判断が遅く、熊本にプレッシャーをかけられるとなかなかボールを前に運べませんでした。

テンポの良いパスがつながるのも、多くて3人目まで。

ボールを受けてからタッチする回数が非常に多く、まるで、相手に取りに来てくださいと言っているようにも。

パスが回らないことで、次第にボールをもらいに行く動きも減り、さらにボールの出しどころがなくなる。

前半のうちに3失点くらいはあり得た試合でしたし、健平のセーブや平岡のゴール寸前のクリア、そして熊本のシュートミスに助けられた試合でした。


後半は拓也が入り、中盤が一気に落ち着きを見せました。

本来であれば、大事をとりたい試合だったかもしれません。

そして、もう少し八反田のボランチを試したかったでしょう。

あの前半では、さすがに大榎監督も我慢できなかったのだと思います。


このチームの"肝"は、やはりボランチの部分だと感じました。

磐田戦でも、拓也がボールを持つシーンは非常に多かったと思います。

今の時点では、拓也なくしては戦えないチームと言うしかないです。

言い方を変えれば、この"肝"の部分が安定しさえすれば、好転する可能性は十分にあるということだと思います。

拓也が入ってからは、前線で裏を狙う動きが増え、実際にシュート回数も増えました。

苦しみながらも勝つチャンスはあったといえます。

皮肉なことに、そういった機運になってきた後に、失点を許してしまいましたが…。


元紀のコメントによれば、「勝ちにこだわる」という共通理解のもとで試合に臨んだということのようです。

そういった試合をするだけの準備が、この試合には足りてなかったように感じました。

賞金をかけて対外試合をするチーム状態であるようには見えませんでした。

実戦経験から課題を抽出し、チーム作りに生かすというのが、このニューイヤーカップにおける狙いだと思いますが、磐田戦を受けた今日の試合はどうだったのか。

むしろ、コンディションも含め、悪化してはいないか。

明日にもトップサテともに練習試合が組まれていますが、そこで"積み上げる"ものはあるでしょうか。


これまで本当に陸上部のようにただ走っていただけではないはず。

「攻撃のことはやってない」と言っても、ミニゲームなりなんなりで、選手たちが考えたり話し合ったりする機会はあったと思います。

「実戦の中でどうプレーするか」

そういったイメージをどれだけもち、この試合でどれだけ実践しようとしたのでしょうか。

それとも、イメージなきままにこの試合を迎えていたのでしょうか。

いや、実践できないほどに疲労が蓄積していたということでしょうか。


ゴトビ体制の終了と同時に、それまでに培ってきたものもリセットしてはいないか。

体制としては変わっても、選手個人のレベルで、それまでに経験してきたことをしっかりと"上積み"しているのだろうか。

あの3年半、その前の健太体制、他クラブでの経験をもとにして、選手自身、選手同士がもっとピッチ上でアイデアを出さないといけないのでは。


今日の試合は、フリーの仲間を見つけて、ただそこにパスを出すだけの、そんなサッカーに見えました。

「モビリティ」とか「人もボールも動く」とか、そういったことからは程遠く…。

少なくとも、この3週間で共有してきたこととは何だったのだろうか、と。


大榎監督の指示は、あくまでピッチ上に「+α」をもたらすものであり、それが全てではないと思います。

例え戦術練習をしていなくとも、大榎監督が指示を出すための「叩き台」がなければ、到底開幕までには間に合わないかと。


…。

このブログにしては、ネガティブでクリティカルなことを書きましたが、ここまでにしておきます。

あの厳しい残留争いを戦い抜いた選手たちなら、今日の試合から想像したものがあると思います。

あの甲府戦以来のJクラブとの戦いを経験する中で、もう一度自分たちの"ものさし"を見直すことになるでしょう。

選手たちと、大榎監督。

それぞれの、この試合を受けてのリアクションに注目したいと思います。

14日の浦和戦では、ほんの少しでもいいから"上積み"されたものを見たいものです。


この試合で失ったのは、賞金300万円を獲得する権利だけ。

まだまだ、ここから、これから。






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関連:清水エスパルス、ロアッソ熊本

at 22:25, macotobatten, 試合 後記

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打開へ 〜 ピーターウタカとミッチェル・デューク

JUGEMテーマ:清水エスパルス

1月17日の新体制発表記者会見での、大榎監督の"外国籍選手2人"発言から3週間余り。

報道等により、ようやくその姿が見えてきました。



元豪代表FWの24歳・デューク獲得へ』(スポーツ報知 2015/2/10) 

FWウタカ獲得へ 元ナイジェリア代表』(静岡新聞SBS 2015/2/9)





"ドーハの悲劇"によって、日本代表のW杯初出場が叶わなかった、1994年のW杯アメリカ大会。

日本代表の代わりに注目していたのが、スーパーイーグルスと呼ばれていたナイジェリア代表でした。

W杯初出場にして、ベスト16入り。

それまでのサッカー界にはなかった、抜きん出たフィジカルを生かした、まるでサーカスのようなサッカー。

それは、まさにアフリカ旋風と呼ぶに相応しいもので、当時のおいらを魅了しました。

それ以降、サッカーゲームでカスタマイズするチームの中心は、常にアフリカ系の選手たちでした。

これからのサッカー界は、彼らアフリカ系が中心となる時代が来るのだろうと、そんな風に思っていました。

しかしその後のアフリカ勢に成績は、当時のインパクトを上回るには至っていません。


Jリーグにも、かつてはエムボマというスペシャルな選手が登場しましたが、アフリカ系の選手として有名となったのは彼くらいだと思います。

有望な選手はつながりの深い欧州へ流れるという形が主流だといえます。


まさか、このタイミングでアフリカ系、しかもナイジェリア出身の選手が清水に加入することになるとは。

今の清水にどうこうという以前に、かつての個人的な"アフリカ熱"を再発させるような、嬉しい出来事です。

すでに鹿児島キャンプに合流し、あとはメディカルチェックと本契約を残すのみとのこと。

おそらくニューイヤーカップには出場できないと思いますが、開幕前にはそれ以外にも多数の対外試合が組まれていますので、連係面での準備も大丈夫でしょう。


動画サイトで、彼の過去のプレーを見ました。

Perter "The King" UTAKA』(You Tube)


一番の印象は、どんな体制でもシュートを放てるということ。

そして、高いシュート意識。

ゴール前では、余程のことがない限り、シュートを選択。

体勢が崩れようが、パスが乱れようが、しっかりと足元にボールをとらえ、鋭いシュートを放っていました。

そして、GKやDFと対峙しても、実に冷静。

右でも左でも、高い精度のシュートを放つことができ、頭でのゴールも多い印象を受けました。

高さを生かしたヘディングではなく、効果的なポジショニングと瞬時の判断によるものが多いと感じました。

おそらく、1トップのCFもしくは2トップの一角となるでしょう。

彼がゴールを決めるまでのフローチャートを描きながら攻撃の形を組み立てていくことになると思います。

そして、その過程で、駿や元紀、あるいはもう一つ下のポジションからの攻撃に幅が生まれれば、大榎監督の理想のサッカーに近づくことになるでしょう。

ここ2試合の実戦では見えてこなかった攻撃のイメージ。

彼の加入により、攻撃陣を取り巻く景色は大きく変わることになるでしょう。


2013シーズンまでのキャリアは文句なし。

まさに点取り屋であり、今季の大榎体制が渇望していた「怖さのあるFW」にまさに当てはまる選手。

敢えて気になる点を挙げれば、2014シーズンにはゴールが激減している点と、北京国安からレンタルに出されている点です。

ただ、だからこそ、今回は移籍金なしでの獲得のようなので、ここまでの段階では、フロントは期待の持てる働きをしたと思っていいのではと思います。

性格の問題もなさそうなので、あとはコンディションを上げ、"劣化"していないことを示してくれればと思います。

ここにきて、「本物」が来たと、そう思いたいものです。


もう一人のミッチェル・デュークについても、オーストラリア代表の経験があるということで、フロントもかなり力を注いだであろうことがうかがえます。

MITCHEL DUKE GOALS』(You Tube)

タイプとしては、高さを加えたブロスケといったところでしょうか。

前線に張るのではなく、トップ下やサイドからチャンスを作ったり、裏から飛び出したりするプレーが多い印象です。

中央、または左サイドが主戦場でしょうか。

24歳ということで、これからがキャリアのピーク。

清水でさらにプレーの質を高めてくれれば、こちらも随分と強力な補強だといえるでしょう。


これまでの清水には見られなかった、かなり大胆な補強。

保有選手数自体も増えているので、人件費としてはかなり無理をしているはず。

それでも、中途半端で弱気な補強はさらなる財政難を生むということなのでしょう。

この強気の補強が、これまでの清水が抜けるに抜け出せなかった"一線"を抜け出すきっかけになるかもしれません。


ダービーには敗戦しましたが、平岡、キャラ、ヤコヴィッチ、駿、河井らが復帰すれば、今回の2選手と合わせ、かなりの充実した戦力になります。

いざ、打開へ。

陣容が見え、期待感は高まります。






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関連:清水エスパルス、ピーターウタカ、ミッチェル・デューク

at 00:40, macotobatten, 補強・育成

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