2015.02.25 Wednesday
雨降って地固まったか 〜 PSM 甲府戦@愛鷹 参戦後記
JUGEMテーマ:清水エスパルス
2015/2/22(日) 14:00 KICK OFF
清水エスパルス 1-0 ヴァンフォーレ甲府(前半1-0)
【入場者数】
3,498人
【得点】
12分 長沢 駿(清水)
【出場選手】《清水のみ》
GK 櫛引 政敏
DF 三浦 弦太
DF ヤコヴィッチ
DF 平岡 康裕
DF 犬飼 智也
(→61分 DF 鎌田 翔雅)
MF 八反田 康平
(→79分 MF 六平 光成)
MF 本田 拓也
MF 村田 和哉
MF 竹内 涼
(→84分 FW 澤田 崇)
FW 大前 元紀
(→79分 MF 枝村 匠馬)
FW 長沢 駿
(→61分 FW 北川 航也)
【警告・退場】
07分警告 長沢 駿(清水)
【主審】
岡 宏道
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「勝利に拘る」
試合前には大榎監督も選手たちも、こう言っていました。
PSMでは、便宜上そういった表現をすることが多々あると思いますが、この試合においては、おそらく本気で勝利に拘っていたのだと思われます。
そういった意識の高さ、集中力というものが、試合の随所で見られたし、試合後の選手たちのコメントを読めば、この試合をいかに重要なものだと考えていたかが読み取れます。
勝利に拘り、なおかつ無失点をめざす。
内容がどうであれ、試合前に自分たちが自らに課したノルマを達成しただけで、この試合の価値は十分にあったと思います。
嬉しいことは、達成したのがノルマだけではなかったということです。
大榎監督「中央を消しながら距離感を大事にして、サイドへ追い込もうと。」
拓也「そこからのショートカウンターの形はトレーニングでもやってきたことなので、それが何度かできたのも良かった。」
平岡「映像を見ながら個人の動きや全体の動きを確認し、みんなと話してきた。」
駿「11人全員、守備意識が高かったし、そのあとの攻撃につながる展開も良かった。」
村田「自分が思い描いていた通りのプレーだった。」
これらのコメントのいずれもが、これまでやってきたことをこの試合で表現できたことを示しています。
課題だらけだった鹿児島キャンプ。
また同じことを繰り返すのか…。
開幕戦までに間に合うのか…。
不安を掻き立てるような、そんなキャンプでした。
それは、おそらく選手たちも同じだったのだろうと思います。
そこで迷うことなく、しっかりと自分たちの方向性を掴み、この試合までに整えてくることができました。
守備ラインは、これまでさまざまな形が試されましたが、弦太、ヤコヴィッチ、平岡、犬飼の4人を並べる、いわゆる「4CB」という形をとりました。
この形の一番のメリットは、その高さ。
大榎監督も、昨季の課題として空中戦に弱かったことを挙げています。
この試合では、それほど空中で競り合うシーンはありませんでしたが、やはり本職CBだけあって、守備においては体を張れると感じました。
対人守備において、対応が遅れるといったようなことはほとんど見られず、見ていてある程度は安心感のもてる守備でした。
大榎監督のコメントにあるように、中央をまずはしっかりと固めることに重きを置き、そうすることで、それほどラインを下げずとも相手に裏を突かせない守備ができていました。
甲府の攻撃にあまり怖さがなかったこともありますが、無失点は大いに評価できます。
攻撃においては、多くの方が言われているように、駿の存在が大きく感じました。
決勝点となったヘディングシュートはもちろんですが、テンポの良いワンツーパス、空中での競り合いなど、どのプレーをとっても、非常に質の高いものを見せてくれました。
駿を軸にしながら、村田、元紀、竹内が絡み合う攻撃は、非常に多彩で、魅力的でした。
フル出場を果たした村田も、右サイドを中心に存在感を見せました。
持ち前のスピードはもとより、クロスの精度とスタミナも大きく向上。
外国籍選手にその座を譲るつもりは一切ないと言わんばかりのアピールができたと思います。
トップ下に入った元紀も、現地ではあまり目だなかったのですが、後から見直せば、非常に効いていたように感じました。
フィニッシャーとしての見せ場は、後半に立て続けに放った2本のシュートくらいでしたが、攻撃の起点としては、何度もチャンスを生み出していました。
攻撃は、主に前の4人で行っていた印象がありますが、右SBに入った弦太も、長短のある縦パスを入れたり、自らドリブルで上がったりと、バラエティある攻撃参加を見せました。
ただやたらと上がるのではなく、状況を判断しながらプレーしている様子が見て取れました。
これまでにCB、SB、ボランチと、複数のポジションで起用されてきた経験が、生かされているのかもしれません。
大げさに言えば、見違えるような試合運びでした。
後半は押し込まれるところがあったにせよ、J1クラブを相手に、対等以上に戦えたことは、大きな安堵を生む理由になります。
雨交じりの愛鷹でしたが、まさに「雨降って地固まる」といったところでした。
鹿児島キャンプでの3試合がなければ、おそらく今日のような"締まった"試合は見られなかったでしょう。
光州との練習試合から数えて、270分間を無失点。
地は固まりつつあります。
この「固まった地」を、今後も緩めるわけにはいきません。
そして、より強固にしていかなければ、甲府以上に仕上がりの良いクラブ相手には、まだまだ敵わないでしょう。
自信と危機感のバランスを取りながら、開幕に向けての準備をすすめる。
ようやく、その土台に乗るところまできたという感じです。
2人の外国人選手を加え、さらに高い土台へ。
『開幕までのリミット 〜 NYC 浦和戦@鹿児島サ 雑記』(2015/2/15)
『「叩き台」「+α」 〜 NYC 熊本戦@鹿児島サ 後記』(2015/2/11)
at 00:33, macotobatten, 試合 参戦後記
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