2014.07.30 Wednesday
ゴトビ監督解任の報を受けて
JUGEMテーマ:清水エスパルス
記事を書くかどうか、迷いました。
選手の移籍報道など、基本的には公式リリースが出るまでは静観するのが、このブログの基本姿勢でした。
でも、寝床につこうかというタイミングで飛び込んできたこの報を受け、このまま静観することはどうしてもできませんでした。
『坂の上に向かって 2014年の始まりに』(2014/1/1)
『サポーターとしての立場 2013年の始まりに』(2013/1/1)
両元日に書いたこの記事を辿れば、おいらにとって、今回のクラブの判断は、その時期とタイミングはともかくとして、致し方ないものであったと捉えることができます。
本来であれば、昨季3年目のシーズンで"結果"を求められていました。
しかし、さまざまな事情が重なり、その"結果"は先に延ばされてきました。
今季、大きな戦力放出がない中でノヴァコヴィッチとヤコヴィッチを獲得し、万全の体制で挑むことになりました。
駿のブレイクにより、「ツインタワー」という大きな武器を手にした清水は、守備陣の粘り強い活躍もあり、4月には白星を重ねました。
駿のケガがなければ…。
おそらく、多くの清水サポーターが考えたことだと思います。
しかし、駿の活躍は正直なところ、想定以上のもの。
結果からいえば、駿を欠いた中で戦い抜くことができなかった時点で、それが今のチームの限界だったのかもしれません。
柏戦では快勝を見せました。
ここからリスタートを。
誰もがそう思っていました。
3度のゴールシーンで歓喜の想いを分かち合うベンチの中心にゴトビ氏がいたことを思い出すと、胸が痛くなります。
彼は、この時点で解任を告げられていたのでしょうか。
この日の選手たちの躍動を、どのような想いで見つめていたのでしょうか。
柏戦の戦い方については、今の時点では多くのことが不透明です。
どこまでが監督の指示で、どこまでが選手の裁量なのか、わかりません。
だから、それについて言及することはできません。
ただ言えることは、あの試合の勝利がゴトビ氏の"置き土産"であり、既にチームにとっての新たなスタートであったということです。
Jクラブの監督という立場を、「結果の責任をとる立場」とすれば、4年間を経て目標に到達できなかったということは、チームを去る理由の一つになり得ると思っています。
今のチーム状況が、チームとしてやるべきことをやってきた結果であると思っています。
ゴトビ氏の試合後のコメントを"言い訳"と表現する場面を、これまで一部のブログやツイッターで目にしてきました。
いつもひどく心が痛んでいました。
あれは、言い訳なんかではないとおいらは思っていました。
選手のメンタルについて、フィジカルについて、真っ当な分析をそのまま表現しているだけではないかと。
あれを"言い訳"とするならば、一体彼に何と言ってほしいのだろうかと。
土下座して謝れと言っているのだろうかと。
自分が監督であったら、他にコメントする内容は思いつきません。
敗戦した事実と分析を語る。
戦術については、わざわざ記者の前でネタをバラす必要などありません。
当たり前のことを、真摯に果たしてきた監督であったと思っています。
ゴトビ氏が監督要請を受けた時点と、実際にゴトビ体制が始動した時点では、大きくクラブの事情が異なっていました。
あれほどに大量に選手が抜けることが、ゴトビ氏には知らされていなかったと。
そして、震災。
多くの外国人監督や外国人選手が一時帰国、あるいは退団する中、ゴトビ氏は帰国すらしませんでした。
健太体制終焉がもたらした"負荷"は、非常に大きなものでした。
チームの非常事態を救ってくれたことは、彼の大きな功績であり、クラブにとっての財産であると思います。
ただ、残念ながら、それは形として残らないもの。
目に見える数字では、残らないもの。
獲得したタイトルはなかったし、順位を並べれば中位ばかりです。
もしかしたら、、"何もなかった4年間"として処理されてしまうかもしれません。
でも、この3年半で味わったことは、決して"無"ではありませんでした。
Jクラブが果たすべきことは、「結果」ではないと考えています。
最も果たすべきことは、「感動」を与えることではないでしょうか。
「結果」というのは、そのための手段の一つに過ぎません。
当然、勝利は嬉しいものだし、そのために選手たちは日々の練習に励んでいるはずです。
「感動させよう」と思って練習している選手は、おそらくいないでしょう。
「勝つために」練習しているはずです。
でも、勝利だけでは満たされないものもあります。
そこに「感動」があるからこそ、自分はこうやってチームを追いかけ続けています。
ゴトビ氏は、「結果」を残すことができませんでした。
ある面からは、解任やむなしということになるでしょう。
でも、これまでに彼がクラブに捧げてくれたエネルギーを考えた時に、簡単に「さらば」なんてとてもじゃないけど言えません。
こういった形で別れなければならないことに、大きな戸惑いを感じています。
清水エスパルスを「Family」と表現したゴトビ氏。
しかし、選手やスタッフなどの"身内"には非常に厳しい面がありました。
それが原因で、チームを去った選手もいました。
一方でファンやサポーターに対しては常に笑顔を忘れませんでした。
そこには、彼のけじめというものがあったと思います。
それは、プロフェッショナルな姿勢だったと思います。
どんな苦境であっても、彼は逃げませんでした。
本来であれば、こんなにやりにくい仕事はないでしょう。
他にも恵まれた仕事はあっただろうし、実際にオファーがあったとかリストアップされたとかいう記事は何度も報道されました。
どんなにサポーターから罵声を浴びせられようとも、どんなにクラブの経営状況から満足な補強ができずとも、チームに残り続けてくれました。
まさに、「Family」のパパでした。
クラブは、路線を切り替えることになります。
これまでのチーム状況と、新監督として名前が挙がっている方の経歴や指導内容から考えれば、選手の出入りや戦術の変更は確実にあるでしょう。
避けなければならないことは、柏戦の勝利によって獲得した勢いを失ってしまうこと。
それには、クラブの大きなサポートが必要です。
サポーターもまた、一つにならねばなりません。
今回のクラブの判断についての感情や考え方は、サポーターそれぞれ違うでしょう。
ゴトビ氏との別れを受け入れ難いと考えているサポーターもいれば、願い叶ったという人もいるでしょう。
ただ、クラブの決断を引きずるようなことは避けたいものです。
次の戦いはもう3日後に迫っているし、そのF東京戦が非常に重要な試合であることは誰もが承知のはずです。
今日から始まる新たな戦い。
でも、それは、決してゼロからじゃない。
決してリセットボタンじゃない。
ずっと受け継がれてきたオレンジの魂は、これからも心の中に。
For Afshin Ghotbi
I represent the gratitude and respect for the passion of all of you.
You are the owner of a real "Lion Heart".
What you requested was a professional team of true.
That it was not achieved very sorry.
You are a member of the "Orange Family" forever in the future.
Until the end of this season, let's fight together.
You are in the chest of me.
Thank you!! Thank you!! Thank you!!
※誤報だった場合は削除します。
『清水ハ今、開国ノ時。 【J特】』(2010/11/1)
『中東発、アメリカ経由の黒船来航』(2010/12/21)
『カタールから清水へ バイタリティ溢れる新指揮官』(2011/1/25)
『ゴトビ監督の拓いた道はまだまだ続く』(2011/11/13)
『1年前からの上積み 〜 期待と覚悟』(2014/1/22)
『浩太、ありがとう 〜 J1第17節 柏戦@アイスタ 参戦後記』(2014/7/28)
『修正する力はあるのか 〜 J1第16節 G大阪戦@アイスタ 後記』(2014/7/24)
『それしかできないけど』(2014/7/21)
at 02:45, macotobatten, クラブについて
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