2014.04.26 Saturday
苦悩の中のチャレンジ 〜 J1第9節 仙台戦@アイスタ 参戦後記
JUGEMテーマ:清水エスパルス
2014/4/26(土) 14:00 KICK OFF
清水エスパルス 1-0 ベガルタ仙台(前半0-0)
【入場者数】
11,188人
【得点】
63分 河井 陽介(清水)
【出場選手】《清水のみ》
GK 櫛引 政敏
DF 吉田 豊
DF 平岡 康裕
DF ヨンアピン
DF ヤコヴィッチ
MF 竹内 涼
(→89分 MF 村松 大輔)
MF 六平 光成
MF 河井 陽介
(→80分 MF 杉山 浩太)
FW 大前 元紀
FW 高木 俊幸
(→80分 FW 村田 和哉)
FW ノヴァコヴィッチ
【警告・退場】
61分警告 ノヴァコヴィッチ(清水)《異議》
【主審】
山本 雄大
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"相性"というものが味方をしてくれたのかもしれません。
ポストにも助けられました。
シュート3本という中で、貴重な勝ち点3を掴むことができました。
「一体何を恐れているのか」
そう思った前半でした。
試合開始から、両チームともにミスが目立ちました。
何でもないようなパスが相手に届かず、なかなか攻撃の形になりませんでした。
清水の初シュートは、キックオフから44分間も経過してから。
清水のサッカーが、可能性の低いシュートを極力避ける志向にあるということや、クロスを経由する攻撃が多いためにシュート数自体が少なくなる傾向にあるということを差し引いても、攻撃の形が作れていないことは明白でした。
駿の長期離脱。
この大きなショックを乗り越えるための、重要な試合でした。
入場時に選手たちが着ていたのは、背番号"9"が記された白のTシャツ。
「駿と共に戦う」
そんな選手たちの強い絆が伝わってきました。
しかし、ピッチ上ではそういった"気持ち"だけでは戦えません。
今日の試合で選手たちが直面したのは、駿がいない中でどういったサッカーをするのかという課題。
単純に駿のポジションに代わりの選手を当てはめるだけではありませんでした。
トップ下に入っていたノヴァコヴィッチが駿のポジションに入るということは、トップ下には別の選手が入るということ。
そして、ノヴァコヴィッチのプレー特性は、駿のそれとは異なるもの。
そのあたりのギャップを埋めるには、練習だけではなく、実戦の中から答えを見つけていかなければなりません。
今日が、最初のそういった場であったと言えます。
前半の選手たちは、そういった課題と向き合いながら、苦しんでいました。
両手を上げて「そうじゃない」と言いたげなノヴァコヴィッチの姿が、何度も見られました。
前半の彼からはイライラ感が伝わってきたし、彼にボールが入らないことで完全に攻撃がフリーズしてしまっていました。
ミスが続き、自信を失ったのか。
次第に増えていくバックパス。
ミスを避けようと判断が遅れることで、それがさらなるミスを引き起こす悪循環。
まるで、ミスを恐れているように見えました。
この試合の大きな収穫は、そういった状況を自分たちで打開したことだと思います。
決勝点はキャラのクロスから。
CBに入っていたキャラがあの位置まで上がっていったのは、おそらくこの試合であの場面だけ。
吉田がうまく相手DFを引きつけながら中へ走り込み、キャラが上がるスペースを生み出していました。
あの場面で無難な選択をしていれば、前半の展開と同じに終わっていたのかもしれません。
吉田とキャラの"チャレンジ"が、この試合の均衡を破るきっかけを作りました。
公式戦8試合連続となる先制点。
これで、いつものリズムを取り戻した清水は、次々と"チャレンジ"が増え、攻め込む場面が増えました。
シュート数自体は、前後半を通じてもわずか3本でしたが、スタジアムが沸くシーンは後半に集中していたし、いつも通りの戦い方ができていたように感じました。
村田、浩太、大輔という実に贅沢な交代カード。
この試合では、彼らがしっかりと仕事を果たしました。
村田はそのスピードで無双ぶりを見せ、大きなチャンスも作りました。
彼がいたことで、仙台は十分に攻撃に比重をかけることができなかったと思います。
大輔は、中盤にしっかりと蓋をし、仙台の攻撃を抑えました。
積極的なボール奪取からカウンター攻撃にも加わるなど、単なるクローザ―では終わらないという気概を感じさせました。
そして、わずかな出場時間でも、両手を何度も叩いてチームを鼓舞する浩太の姿。
そんな彼がピッチにいることに、頼もしさを改めて感じました。
連戦の中で、彼らがスタメンで出場する機会もあるはず。
今日の試合で彼らがピッチに立ったことが、必ず生きると思います。
リーグ戦4連勝。
そして、4連続完封。
4月に掴んだ勢いを、この試合でも継続させることができました。
苦悩ある試合でも、こうやって勝ち点を上げること。
それが、シーズンの終盤に差し掛かった時に、大きな意味をもってきます。
リーグ戦の順位は変わらずの6位ですが、首位との差はわずかに勝ち点2となりました。
次戦の対戦相手は、その首位に立つ鹿島。
勝てば順位が入れ替わり、順位は確実に上がります。
そして、その先には鳥栖、新潟、広島、神戸と、上位陣との戦いがズラッと並びます。
鹿島戦からが、真価が問われる戦い。
大切なことは、チャレンジし続けること。
ミスを恐れず、果敢に戦うことで、道は拓けると信じています。
ただし、完封勝利とはいえ、立て続けに簡単に裏を取られる場面があった守備陣は気を引き締める必要があるし、駿不在の中での攻撃の形の確立は急務です。
連戦で準備が十分にできない中ですが、チームにとっての踏ん張りどころだと思います。
『復活 〜 J1第8節 徳島戦@鳴門大塚 後記』(2014/4/19)
『上昇気流 〜 J1第8節 徳島戦@鳴門大塚 展望』(2014/4/17)
『古巣への想い 〜 J1第7節 大宮戦@アイスタ 参戦後記』(2014/4/12)
at 23:25, macotobatten, 試合 参戦後記
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