2014.02.27 Thursday
過去の失敗を糧に 〜 J1第1節 名古屋戦@豊スタ 展望
JUGEMテーマ:清水エスパルス
J1第1節 名古屋グランパス vs 清水エスパルス @豊田スタジアム
2014/3/1(土) 14:00 KICK OFF
放送:スカパー!/スカパー!プレミアムサービス/NHK名古屋/NHK静岡
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開幕戦を「1/34ではない」とか「いや、所詮1/34だ」などと表現することがあります。
昨季の開幕戦勝利クラブは、横浜FM(62)、C大阪(59)、浦和(58)、F東京(54)、柏(48)の5クラブ。
( )内は年間勝ち点。
この5クラブの平均勝点は56.2で、平均順位は6位です。
一方、開幕戦で負けたクラブは、広島(63)、川崎F(60)、新潟(55)、湘南(25)、大分(14)。
平均勝点は43.4で、平均順位は9位。
引き分けた残り8クラブの平均勝点は44で、平均順位は12位。
統計学的にはあてにならないサンプル数であることを前提に話を進めれば、開幕戦で勝利できたクラブは最終的に上位に入る可能性が高いといえます。
しかし、開幕戦で負けたクラブのうち、広島、川崎F、新潟の3クラブは、いずれも後半戦の追い上げによって、最終的にはこちらも順位を上げ、広島に至っては優勝を成し遂げています。
やはり、シーズンは長いもの。
開幕戦の結果で一喜一憂せず、しっかりとシーズンを戦い抜く力を付けることが重要だといえます。
清水の相手は名古屋。
2年前の開幕戦と同カードで、会場も同じ。
当時は、ピクシー体制黄金期。
2010年にリーグ優勝、2011年に準優勝を果たした、その翌シーズンでした。
清水の方は、ゴトビ体制2年目。
まだまだ体制としては定まっておらず、当時のメンバーも半数ほどが既にチームを去っています。
吉田、河井、白崎、ソンホ、犬飼などの新加入メンバーが遠征メンバーに加わるなど、今思えば非常に未熟なチームでした。
それでも、内容では名古屋を勝り、残念ながらPKに泣いた敗戦であったことを記憶しています。
現在の両クラブに目を向けてみます。
名古屋の方は、ピクシーによる長期政権を終え、西野新体制がスタート。
タイで行ったキャンプでは3バックでチーム作りを進めるも、なかなか手応えを掴めず、帰国後に4バックに変更。
前線にはケネディや玉田、小川などのベテラン勢が残っているものの、最終ラインに残った昨季の主力は闘莉王のみ。
大学生で特別指定選手の大武をスタメン起用する可能性も高いようで、若返りを進めている段階。
チームとしては、まだ試行錯誤を繰り返しているという印象です。
まるで、3年前の我がクラブを見るようだという感想を、多くの清水サポーターが抱いているところかもしれません。
清水の方は、ゴトビ体制4年目に突入。
各紙や解説者の評価は高くありませんが、清水サポーターの中では、9位という成績を残した昨季よりも上の順位を期待するに値するチームに仕上がってきています。
選手だけではなくコーチ陣も含め、昨季からの"継続"が叶っていること、そしてノヴァや駿といった攻撃陣の補強に手応えを得ることができていることが、そういった期待につながっています。
ゴトビ体制での最高順位はもちろんですが、今季こそはタイトルを、という想いも膨らんでいます。
名古屋戦については、ホームではここ数年勝利を収めており、アウェーでは勝利こそ遠いですが、手応えのある試合が続いているため、苦手意識はあまりないといえます。
そして、過去2シーズン、豊スタでは悔しい想いをしてきましたので、リベンジに燃える想いもあります。
3月は非常に厳しい相手が続きますが、相手のチーム状況を考えれば、今回の名古屋戦は絶対に勝たなければならない相手です。
第2節の横浜FM戦、第3節のC大阪戦、第4節の浦和戦。
これらの試合の結果にも大きな影響を与える試合になると思います。
数字の上では1/34かもしれませんが、今季を占う試合だと考えていいと思います。
川崎とのPSM以降、ゴトビ監督の懸案事項はひたすらにダブルボランチの組み合わせをどうするのかということでした。
もう、それしか考えていなかったといってもいいのかもしれません。
PSM後に2度行われた練習試合でも、様々な組み合わせを試したようです。
ボランチの人選は、ゴトビ体制1年目から常にチームの課題でした。
1年目には、枝村や真希に加え、岩下もボランチでの起用を試みました。
結局、そこが定まらずに夏場まで苦しみ、キャラが加入して以降は、チームも安定感を保てるようになりました。
2年目の開幕戦は、先述した豊スタでの名古屋戦。
この試合でアンカーに入ったのは大輔でした。
それまではベンチスタートが多かった彼が、このチームでスタメンの座を掴むきっかけになった試合でした。
この試合でほぼ完璧なプレーを見せ、ゴトビ監督の信頼を得ることに成功しました。
試合には敗れましたが、それまではCBというイメージの強かった大輔が、"アンカーの大輔"という新しい道を見つけたといえるような試合でした。
昨季のアウェー名古屋戦は、今の状況に非常によく似ています。
昨季の対戦は中断明けの初戦でした。
中断期間中は、ボランチの組み合わせをいろいろと試していました。
キャラがケガから復帰したばかりで、それに伴って、浩太をCBで起用するのか、それともボランチで起用するのか、複数の選択肢がありました。
ボランチの枚数についても、1枚なのか2枚なのか、定まっていない部分がありました。
キックオフ時のシステムは、浩太の1ボランチ。
しかし、練習でもあまり試していなかった中盤の組み合わせに、マークはちぐはぐ。
特に、浩太と2人のCBの間を相手に執拗に狙われてしまいました。
結局、開始早々に、小川、玉田、ケネディらに簡単に崩され、呆気なく失点。
ゴトビ監督はその直後に慌てて前目に位置していた大輔をボランチに下げました。
中断期間中に練りに練ったはずの中盤の選択が、完全に裏目に出た試合でした。
今回も、中盤の構成には様々な組み合わせが考えられます。
そして、多くを試すあまりに、一定の組み合わせでの習熟が間に合っていないのではないかという不安があります。
中盤の完成度が、この試合の一つの大きなポイントになると思います。
今日と明日の2日間の非公開練習で、どれだけ完成度を高めることができるのか。
当日は、そのあたりに注目したいと思います。
攻撃面では、やはりノヴァと駿の"ツインタワー"。
名古屋の方も、闘莉王と大武はともに高さのある選手。
彼らの激しい競り合いも大きな注目ポイントです。
当然、名古屋の方は清水のクロスの出所を潰してくるでしょう。
報道によれば、名古屋に移籍した枝村がその役割を担う可能性も。
河井や俊幸とのマッチアップも非常に楽しみです。
2007年を最後に、開幕戦の勝利から遠ざかっています。
無難なドローは期待しません。
勝ちたい。
今シーズンに懸ける想いを、選手の闘争心を、見たいものです。
絶対に勝ちましょう。
『村松大輔の覚醒』(2012/3/13)
『光明の前半と失速の後半 〜 J1第1節 名古屋戦@豊田ス 後記』(2012/3/10)
『大輔のボランチ起用』(2011/4/7)
『ボランチ構成の行方 〜 2つの練習試合』(2014/2/27)
『J3の舞台で戦う清水戦士たち』(2014/2/25)
『清水エスパルスの立ち位置は』(2014/2/21)
at 23:51, macotobatten, 試合 展望
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