1か月周期の壁

JUGEMテーマ:清水エスパルス

リーグ戦とカップ戦を合わせ、3月は3分3敗、4月は4勝2分。

ちょうど月が変わったのと同時に、まさにツキが変わったような2か月間でした。

もちろん、そのツキを引き寄せたのは偶然ではなく、守備の再構築や選手個々のコンディションの向上、そして何よりも選手間の意識の共有が徹底されたことが、4月の"復活"に大きく関与していたと言っていいと思います。

得失点差においてはまだまだ3月の傷跡が残ったままではありますが、勝ち数は負け数を上回り、メンタル的にも苦しい状況は脱したと言えます。

3月の借金を返済し、あるいは若干の貯金を作るところまで来たという見方もできるかもしれません。


しかし、勝負はこれから。

おそらく、今のサッカーをシーズン終盤まで続けることはできないでしょう。

長いスパンで同じサッカーをやり続けることは非常に難しいことです。

ケガや出場停止などにより、メンバーが入れ替わることがあります。

好調を続ければ、当然相手は研究し、対策を練ってきます。

そして、一番難しいのはメンタルの維持です。

どんなに強固な結束を築いたとしても、時間の経過が生み出す個々の意識のズレは免れることができません。

好調であっても不調であっても、人間のメンタルは常に変化し続けます。

ほんのわずかな綻びが、歯車を大きく狂わせていくことがあります。


鳥栖戦での勝利からもうすぐ1か月。

そろそろ、その"壁"が表れるころではないかと思っています。


現に、数名の選手が浦和戦で負傷し、新潟戦での出場が微妙な選手もいます。

そして、今のチームの核であるバレーとキャラはともに3回の累積警告。

公式戦が7試合も組まれている5月において、おそらく彼らを欠いた中で戦わなくてはならない試合が出てくるでしょう。


相手の対策も厳しくなるはずです。

バレーには、これまで以上に厳しいマークがつくことが必至です。

相手チームは如何に彼を孤立させるかを考えてくるでしょう。

浦和のように、前に人数をかけてくれればいいのですが、ある程度相手に引かれてしまえば、バレーを生かすスペースは生まれません。

細かな戦術は語れませんが、各クラブがこのままバレーを放っておくはずがありません。


清水としては、そうなったときに次の一手を打つことが大切です。

バレーの衛生的役割を果たしているトップ下のゴールはもちろんですが、やはりWGを含めた中盤の選手の攻撃参加がカギを握るでしょう。

相手のバレー対策を逆手に取るような攻撃ができるか、それとも成す術なく封じこまれるのか。

ここからが真価を問われる戦いとなります。


最も憂うことは、メンタル面の疲労です。

どん底の状態から突っ走ってきた1か月だったと思います。

公式戦6試合を無敗で終え、しかもその最後はあの埼スタでの勝利でした。

おそらく、チームとしてもこの試合で勝利を収めることにかなりのエネルギーを注いできたことでしょう。


こういった試合の後は、非常に難しい試合になりがちです。

浦和と新潟では、戦い方も全く異なります。

完全アウェーの埼スタから、完全ホームのアイスタへ。

それが良い方向に出ればいいのですが、今季の清水はどうもホームで苦しい戦いとなってしまっています。


5月末には中断を迎えます。

残り1か月。

新潟戦での戦いぶりは、その1か月を占う重要な試合になるような気がします。


ブレずに継続すること。

修正を加え、進化していくこと。

この両立を果たさなければ、安定した結果を残すことはできません。

新たなステージで、どんな戦いを見せてくれるのか。

注目したいと思います。


王国のプライド』(2013/4/29)




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王国のプライド

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昨日の試合後のイザコザ。

実に残念なことでしたが、現地にいたわけではないので、多くを語ることはできません。







ただ、言うことができる事実は、このことがスポーツ紙だけでなく一般紙にも取り上げられたということと、その記事が読者に与える両クラブへの印象はマイナスでしかないということ。

今回の件が、浦和サポーターに対する印象をさらに悪化させたことは間違いないと思いますが、こういった記事の書かれ方をされれば、清水側もまた"同類"と捉えられても致し方ありません。

さらには、Jリーグ全体、サッカーというスポーツ全体に対するイメージの悪化につながります。

残念です。


「サッカー王国はどちらだ」

そんなようなニュアンスの表現が、この試合における浦和のクラブ公式プレビューに使用されています。

王国浦和のプライドを胸に勝利を』(浦和レッズ公式サイト)


ここでいう"王国"が果たして何を指しているのかはわかりませんが、今回のような行為がその"プライド"を傷つけるものであったことは間違いないでしょう。

何人かの浦和サポさんのツイートを拝見しましたが、そこからは、多くの浦和サポの方が今回のような行為を残念に思っていたことを確認することができました。


こういったことが起こるたびに、"一部の"という言葉が使用されます。

昨季の鹿島スタジアムでの事案もそうでしたし、今季においては清水サポーターもまたバスを囲むという行為をしています。

2年前のダービーでは、Jリーグから処分を下されるような残念な出来事もありました。

しかし、"一部"であるということは、別物ではない、同じ集団であるということでもあります。

少なくとも、世間はそういった目で見るでしょう。


「サッカー王国」という表現については、随分と前に記事に書いたことがあります。



基本的には、当時書いたことと今の自分が抱いている想いは変わりありません。

王国かどうかということよりも、今あるサッカーを楽しむことが大切だと思うし、仮に"王国"という言葉を用いるとすれば、そういったサッカーを取り巻く環境があることこそが、王国というものを作り上げていくのだと思っています。

歴史があるかどうかだけでも、クラブが強いかどうかだけでも、サッカーの質がどうこうだけでも、図れるものではないと思います。


そして、もしも今回問題を起こした浦和サポーターが、今回のような行為をすることこそが"王国のプライド"だと考えていたのであれば、この"王国対決"はすれ違いのままに決着することはないでしょう。

互いの価値観が共有されることはないと思います。


今回の試合後、清水ゴール裏は喜びを爆発させました。

当然だと思います。

今季の浦和に対して今の清水が勝利することは非常に難しいミッションであったし、アウェー側ゴール裏まで"コアサポ"に囲まれた赤一色の独特の雰囲気の中であればなおさらのこと。

だからこそ、試合後の勝ちロコは最高のものであったと思います。

それは、浦和が"偉大な"クラブであるということを、心のどこかで認めていたから。

やはり、浦和は他のクラブとは違う、特別な何かをもっているクラブです。

そういったものがあったからこそ、勝利した時の喜びは半端ないのだと思います。


今回、騒動の引き金になったと一部で言われている「王国清水」のチャント。

以前は、一部のサポーターだけが歌うものだったと記憶しています。

2年ほど前から、"公式な"チャントとして、動画もアップされ、ダービーや浦和戦以外の場面でも広く歌われるようになりました。


そもそも、静岡県民の中には"王国"というフレーズに敏感になっている人も少なくありません。

それこそ、"王国"という表現が何を指すか、何を目指すかによって、その議論の行方は全く異なってしまうわけですが、やはりこの表現を嫌がる人もいるというのは、静岡という土地に住んでいて感じるところです。

少年サッカーに始まり、高校サッカー、そして数々の名選手を輩出したことを考えれば、静岡という地は紛れもなく"王国"であると思います。

それは、日本全国のどの地と比べようとも、比ではないと確信します。

そういった意味では、静岡のことを誇りに思っているし、"王国"であるという自負もあります。


一方で、今の静岡サッカー界に対して、憂いを抱いている人も少なくありません。

選手権ではなかなか勝てないし、日本代表に静岡出身選手を数えてもほんの数人。

そして、清水エスパルスもジュビロ磐田も、随分と優勝から遠ざかっています。

今のクラブの成績、そして経営状況や観客動員数を見れば、"王国"というフレーズは胸を張っては使えません。


それでも、"王国清水"のチャントは好きです。

そこには、"清水よ、王国であれ"というメッセージが込められているような気がするからです。

それは、自慢でも、傲慢でも、圧力でもなく、まさに自分たちの愛するクラブへのプライド。

サッカーを愛し、クラブを愛し、選手を愛する。

勝ちも、負けも、喜びも、悔しさも、全てを受け入れる。

90分間の、一つ一つのプレーに沸き、そこに快楽を感じる。

そんな、サッカーの素晴らしさを、サポーターが皆で共有する。

それこそが、"王国"を名乗るにふさわしい姿なのではないかと思います。


そういった意味では、今の清水が目指さなくてはならないものはまだまだたくさんあるのだと思います。

未だ発展途上である。

そんな謙虚な姿勢と高い志が、真の"王国"を作り上げると信じています。


幸い、まだこの国には"王国"は存在していません。

他クラブからもリスペクトされるような、そんな"王国"になりたいものです。








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今できるサッカー 〜 J1第8節 浦和戦@埼玉 後記

JUGEMテーマ:清水エスパルス

浦和レッズ 0-1 清水エスパルス(前半0-0)

【得点】
64分 バレー(清水)

【出場選手】《清水のみ》
GK 林 彰洋
DF 吉田 豊
DF 平岡 康裕
DF ヨンアピン
DF イ キジェ
MF 村松 大輔
MF 杉山 浩太
MF 竹内 涼
   (→90分 MF 廣井 友信)
FW 河井 陽介
   (→82分 MF 高木 純平)
FW 高木 俊幸
   (→62分 MF 石毛 秀樹)
FW バレー

【警告・退場】
52分 イ キジェ(清水)警告1
77分 村松 大輔(清水)警告1
80分 阿部 勇樹(清水)退場

【主審】
木村 博之

==========

「今できるサッカー」

試合が終わる前から、この試合の結果がどうなろうと、後記のタイトルにはこの言葉がふさわしいと思っていました。

どうやら、解説の川勝氏に使われてしまったようですが。


前半だけで7本ものシュートを放たれ、与えたCKも7本。

こちらはシュートわずか1本で、それも枠外。

それだけを見れば、勝てる要素など見当たらないかのようですが、それでもこういった結果が起こりうるのがフットボール。

やれること、やるべきことを堅実にやった清水が勝利を収めた、ということだと思います。


現代表と代表経験者がスタメンにズラッと並び、それはベンチのメンバーも同様の浦和。

キャリアや年齢を見ても、経験豊富な選手、脂が乗り切っている選手、将来が期待される選手など、実にバランスがよいメンバー構成。

Jクラブの中で、圧倒的な資金力を持つクラブだけあって、その存在感はとてつもないものです。


一方の清水は、林と大輔が"代表候補"に選出されただけで、その他の選手はA代表の経験はなし。

J1で確固たる実績を残しているのはバレーだけと言っていいでしょう。

人件費も、ついに10億円を切ったということが、前日公表されたばかりです。


だからこそ、そんな"偉大な"クラブのホームスタジアムにおいて、どんな形であっても勝利を挙げることができたということは、至極の喜びです。


決勝点はバレー。

河井のロングパスを受け、ドリブル突破で相手DFを振り切ってのゴール。

先日の大宮戦でのゴールを彷彿とさせる、バレーらしいゴールでした。


このゴールには伏線があったと思います。

浦和のゲームプランは、できるだけ早い時間帯に先制点を挙げること。

そして、ある程度引いて守りながら、じわじわと追加点を奪うこと。

しかし、清水の堅い守備にそれを果たせず、苛立った浦和は徐々に攻撃に人数をかけてきました。


両WBが上がれば、守備は手薄になります。

バレーが相手DFと1対1で勝負できる状況を生み出したことは、清水にとっては狙い通りだったと思います。

引いて守られれば、バレーの良さは生かせません。

彼の良さを生かせる展開に持ち込んだ清水に軍配が上がった、ということでしょう。


阿部の退場のシーンについても同じです。

阿部は完全にバレーに振り切られていました。

あの時点でファールを冒せば、少なくとも警告は出されるでしょう。

後半に入って木村主審のジャッジ基準が厳しめになってきていたことを加味すればなおさらです。

阿部がバレーのユニフォームを引っ張った瞬間、バレーの頭の中にもそれがあったのかもしれません。

どちらにしても、あの状況に持ち込んだバレーの勝ちであったと思います。


「バレー頼みのサッカー」という評があります。

しかし、ゴールの瞬間こそそうかもしれませんが、それに至る過程の中で、清水の守備陣が果たした役割は実に大きいものでした。


前半こそ、相手の素早いボール回しに翻弄されましたが、最後のところではしっかりと体を張ってシュートコースを消しました。

相手のシュート数は多かったですが、それほど決定的なシーンがあったわけではありませんでした。


わりと中盤を空けてくる浦和に対し、大輔と浩太がタイミングよく飛び出してボールをカット。

中央をしっかり固めることで、浦和のボールはサイドへサイドへ流れるようになりました。


サイドでは、常に3人の選手がボールを囲むように陣どり、相手のパスコースをカバー。

相手がパスを出しても、その先の選手に誰がつくのかがはっきりしていました。

浦和のポゼッション率が圧倒していたと思われますが、自由にやらせていた感はそれほどありませんでした。


クロスに対してもしっかりと体を当てにいき、安易にボールを放り込まれるようなことはありませんでした。

CKの多さは、相手のペースであったことを示すものではありますが、一方では、こうやって相手のクロスを防いだ結果でもあると思います。


これで、リーグ戦においては、4月は4試合で1失点。

あの、C大阪戦の事故のような失点のみです。

セットプレーからの失点もなくなりました。


決して美しいサッカーではありません。

創造力あふれる、芸術的なものでもありません。

それでも、今できるサッカーはコレなのだと思います。

特に、今回の浦和のように、個々の力では到底及ばない相手に対しては、こういった形で勝利を掴むことが最も可能性の高い道であったと思います。

今のサッカーで満足するわけではありませんが、今の清水に必要なことは、こうやって結果を残し続けることだと思います。


課題を挙げるとすれば、追加点を奪えなかったこと。

10人になってからの浦和は、明らかにバランスを崩していました。

清水にはカウンターのチャンスが何度かあり、中には数的に有利であったシーンもありました。

しかし、1点を守ることに重きをおいてか、ボールをこねくり回し、中途半端な攻めで終わってしまい、攻めたがっている相手にボールを譲るような形になってしまいました。

無理に攻めることはないと思いますが、行けるシーンでは行くべきだったと思います。

結果的に逃げ切ることができましたが、最後に押し込まれて失点という可能性もありました。

試合終了の前に相手の息の根を止めるようなプレーをしてほしかったと思いました。


崩れかけた"土台"の修復がようやく終わろうとしています。

5月。

ここから何ができるか。

一歩一歩でいい。

焦らなくていい。

チームの成長をじっくりと見守りたいと思います。


1-0の勝負』(2013/4/2)







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関連:清水エスパルス、浦和レッズ、埼玉スタジアム2002

at 22:12, macotobatten, 試合 後記

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生かす術 〜 NC第5節 大宮戦@NACK 後記

JUGEMテーマ:清水エスパルス

大宮アルディージャ 2-3 清水エスパルス(前半0-0)

【得点】
52分 清水 慎太郎(大宮)
55分 バレー(清水)
79分 平岡 康裕(清水)
80分 ノヴァコヴィッチ(大宮)
83分 バレー(清水)

【出場選手】《清水のみ》
GK 櫛引 政敏
DF 吉田 豊
DF 平岡 康裕
DF ヨンアピン
DF イキジェ
MF 竹内 涼
MF 村松 大輔
MF 高木 純平
   (→57分 FW 村田 和哉)
FW 高木 俊幸
FW 八反田 康平
   (→71分 MF 石毛 秀樹)
FW 瀬沼 優司
   (→46分 FW バレー)

【警告】
23分 カルリーニョス(大宮)警告1
48分 清水 慎太郎(大宮)警告1
90+1分 石毛 秀樹(清水)警告1

【主審】
東城 穣

==========

堅守の大宮から3つのゴールを奪っての逆転勝利。

グループ予選突破のわずかな望みをつないだ勝利は、それ以上に意味のあるものでした。


試合序盤は押し込まれる展開。

埼玉ダービー勝利の勢いそのままに攻めてきた印象でした。

しかし、清水の方も徐々にペースを掴みだし、30分過ぎあたりからは効果的なパス回しが見られるようになりました。

特に、右サイドを生かした攻撃はゴールの予感を抱かせました。

竹内がボールを捌き、吉田、純平あたりが裏のスペースへ走り込む。

そこから何度かチャンスが生まれました。

C大阪戦でも縦への意識を感じましたが、今日の試合ではさらに縦パスが増えたような感覚を受けました。

その供給源の多くは竹内。

等々力での活躍からまだ2週間しか経っていませんが、その間にチームの重要なファクターになりつつあるように思います。

肝心な最後のプレーで詰めを欠き、ゴールには至りませんでしたが、好調大宮を相手に、決して引けを取らないサッカーをしていたと思います。


後半、プレスの連動が緩み、個々が単発でボールを奪いに行くようなシーンが増えたところで、スルスルをそれをかわされて失点。

この失点の数分前から、失点の雰囲気を感じていました。

疲労が出始め、集中力が切れやすい時間帯。

守備の組織に綻びが生じていました。


しかし、その直後のバレーのゴールが、実に大きなものをもたらしてくれました。

ピッチのおよそ半分をドリブルで走り抜けての一閃。

これぞバレー、といえるゴールでした。

相手を崩したゴールではありませんが、ボール奪取から素早いカウンターを仕掛け、あの位置にボールを出した俊幸のプレーがあったからこそのゴールでした。

それは、バレーのスピードを最大限に生かした攻撃の形であり、あの時間帯に選ぶことのできた数少ない選択肢であったと思います。

素晴らしいゴールでした。


平岡の勝ち越しゴールも素晴らしいものでした。

吉田のクロスにピタリと合わせた頭でのゴール。

相手DFの背後を突き、あのポジションに走り込んだ平岡は、ただ合わせるだけ。

両者のフィーリングがピタリと合った瞬間でした。

こういったプレーが、3月までのチームには全く見られませんでした。

クロスの精度が悪い、というのはこれまでずっと言われてきたことですが、技術的な問題だけではなかったと思います。

今は、より効果的なボールの供給と、より効果的なもらい方ができてきているように思います。

それは、互いが互いを生かす動きをするということ。

その術がチームの中で共有され始めています。


平岡のゴール直後の失点は残念でしたが、そこで下を向かないチームの姿勢は、C大阪戦でのそれと同じでした。

それは、試合後の選手たちのコメントからも伝わってきます。


決勝点は再びバレー。

俊幸のスピードあるドリブルから、フリーのバレーへのやわらかなパス。

今日の俊幸からは、良い意味で力の抜けたプレーを見ることができました。

自分が何とかせねばという使命感よりも、いかに周りを生かすか、いかに周りに生かされるか、ということを優先する余裕が感じられました。

それが、2つの素晴らしいゴールを生み出しました。


ダービーでは苦い思いをした俊幸でしたが、この試合で見事な復活を見せました。

バレーの"相棒"として、C大阪戦の伊藤を上回るような結果を残しました。

俊幸の覚醒は、今のチームにとっては待ちわびてきたもの。

ゴールはなくとも、今日の俊幸を見れば、覚醒を確信することができます。


ここ数試合のように、周りの選手が変わりながらもバレーのゴールが生まれていることは、彼自身のコンディションが上がっていることと同時に、チーム全体が彼の生かし方を習得しつつあることを示しているのだと思います。

それがただの偶然ではないということは、彼自身のシュート数が格段に増えていること、また、それに相乗するようにチーム全体のシュート数も同様に増えていることからも確かめることができます。

4月に入ってからのバレーは、公式戦5試合で4ゴール。

これは爆発の予兆なのかもしれません。


試合終了のホイッスルの瞬間。

バレーの顔に笑顔はありませんでした。

それは、まだまだ自分のプレーに納得していないからでしょうか。

それとも、遠く先にある、めざすべき景色を見つめていたからでしょうか。

どちらにしても、そんな彼を見て、ますます期待感が高まる自分がいました。






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関連:清水エスパルス、大宮アルディージャ、NACK5スタジアム大宮

at 23:33, macotobatten, 試合 後記

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這い上がれ 〜 NC第5節 大宮戦@NACK 展望

JUGEMテーマ:清水エスパルス

中2日でのアウェー戦。

現在グループ最下位の清水にとっては、予選突破はかなり厳しい状況。

相手は、埼玉ダービーにて浦和を破り、勢いに勢いを増した大宮。

非常に厳しい試合であり、モチベーションの保ち方も難しい試合となりそうです。

しかし、軌道に乗り始めたチームの歩みを止めるわけにはいきません。

カップ戦といえども、しっかりと結果を残し、週末の浦和戦につなげたいところです。


C大阪戦はドローという結果に終わりましたが、内容に関しては可能性を感じさせるものでした。

課題はありますが、無敗を続ける中でその質が洗練されてきていると思います。

特に、攻撃に関しては、バレーを生かした形が随分と増えてきました。

今後も、この部分の質の向上がチームの成績に繋がっていくはずです。


そのバレーがメンバーから外れることが濃厚な今回の試合。

どうやって攻め、どうやって守るのか。

チームとしての戦い方が問われる一方で、選手個々の戦いもまた、繰り広げられることになりそうです。


樋口、柴原が岐阜へ移籍しました。

樋口は早くも活躍を見せましたが、柴原の方は先発出場するも、まだまだの内容だったようです。

今後、同様に"武者修行"に出ることになる選手が出てくる可能性は低くありません。

今のメンバーである程度の手応えを掴み始めていることで、これまでのようにあれこれメンバーをいじることは少なくなるでしょう。

出場機会のない選手たちにとっては、既に生き残りをかけた戦いが始まっています。


今回の試合は、大宮もメンバーを変えてくるでしょうから、どんなマッチアップになるかは見当がつきません。

そこで、出場の可能性がある選手について、個別に触れていきたいと思います。


GKは櫛引を使うことがゴトビ監督から明言されています。

等々力ではスーパーセーブを連発しました。

ベンチを温めながらの2週間だったので、調整は簡単ではなかったと思いますが、期待することは前回と変わりません。


CBでは、犬飼、廣井、岡根、弦太という4選手が出場機会を窺っています。

彼らは練習試合ではボランチでも試され、プレーの幅を広げることを求められてきました。

犬飼と岡根は、ともに公式戦で苦い経験をした後、主力から外れています。

そのリベンジは、いつか果たさなくてはなりません。

今の安定したDFラインに割って入るには、個の勝負の部分で絶対的な安心感をもたらさなければなりません。

前回のプレーで足りなかった部分はそこだと思います。

廣井は、今回の帰還組の中で一番期待していた選手でした。

J2で最も"実績"を残したのは彼でした。

熊本で主将を務めたそのキャプテンシーを、そろそろピッチで見たいものです。

弦太は、年代別の代表候補に選出され、きっと大きな刺激を受けてきたはずです。

彼の存在が、今のトップチームを脅かすようなものになってほしいものです。


サイドの選手で期待するのは、村田と内田です。

右は村田、左は内田。

ともに、SBもWGもできる選手。

どちらも攻撃への積極性が売りで、これまでの清水に足りなかったファイティングスピリットをもっています。

年齢的にも、2人ともこれから脂が乗ってくる選手。

チームに勢いを生み出すのは、こういった選手だと思います。


C大阪戦による翔の活躍により、俊幸のスタメンの座に黄色信号が灯りました。

それは、途中出場の機会が与えられなかった瀬沼も同じです。

バレーの"相棒"の座を掴むのは果たして誰なのか。

チームにとっての理想は、複数の組み合わせを手に入れることです。

それぞれが持ち味をどう生かすのか。

出場停止のためにC大阪戦を欠場した俊幸。

コンディションが悪いわけではないと思います。

メンタルの部分だろうと思います。

それは、彼自身が開幕前から自身の課題としていたところ。

それを乗り越えるには、絶好の機会だと思います。

FWは1点獲れば変わると言われますが、俊幸の場合はそれが顕著な選手だという気がします。

期待しています。

瀬沼については、バレーの相棒としてだけでなく、バレーの"代役"としての役割も求められるでしょう。

正式にチームの一員となってから、未だゴールはなし。

真面目な選手なので、結果が出ないことで考えすぎてしまうことが心配です。

そろそろゴールを挙げることが、本人にとってもチームにとっても重要なことです。


中盤はどうでしょうか。

竹内は、"サテ組の枠"を一歩抜け出た印象があります。

しかし、その信頼もまだ等々力から始まった1週間でのもの。

まだまだ十分とはいえません。

C大阪戦で持ち味を出せなかった八反田にも頑張ってもらいたいところです。

まともにプレーをさせてもらえなかったナビスコの磐田戦以来、光るプレーが影を潜めてしまっています。

六平は今のままでは出場は厳しいと思われますが、どうでしょうか。

これまでのキャリアを考えれば、サテで燻っている選手ではありません。


そして、白崎。

今季は完全に出場機会を失っています。

彼を待望する声が、多くのサポーターから聞こえます。

今の清水で彼を使うとしたら、シャドー(トップ下)でしょうか、それともWGでしょうか。

視野が広く、足元が上手い選手であるということは、昨季のプレーでよくわかりましたが、スタメンで出続けるにはそれだけでは足りない、というのがゴトビ監督のメッセージなのだと思います。

それは、八反田や六平にも共通することなのかもしれません。


グループ予選突破の可能性は厳しいですが、残り3試合を全勝すれば勝ち点は11。

滑り込みで2位に入る可能性は残っています。

勝利を求めることは当然です。

チームも、個々の選手も、ここから這い上がらなければなりません。








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関連:清水エスパルス、大宮アルディージャ、NACK5スタジアム大宮

at 21:12, macotobatten, 試合 展望

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