旅路の果てに 〜 J1第34節 大宮戦@アウスタ 展望

JUGEMテーマ:清水エスパルス

今のJ1で最も強いクラブは、優勝した広島ではなく、大宮なのかもしれません。

第24節の浦和戦から始まった不敗記録は、ついに10まで伸び、天皇杯の2試合を含めれば、公式戦は12戦無敗。

一時は-20であった得失点差は、ついに-7までに回復し、最終節を待たずして残留確定を果たしました。

リーグ戦終盤の勝負強さは以前から有名であり、常に残留争いの渦中にいながらも、それを乗り越えてきました。


G大阪と戦う磐田のように、残留を賭けた相手と最終節を戦うよりは、戦いやすいでしょう。

ただ、それは余計なことを考えなくてよいというだけであって、決して勝利の可能性が高まることにはつながりません。

10試合でわずか4失点という強固な守備陣を打ち崩し、同じく10試合で17得点という強力な攻撃陣からゴールを守らなければなりません。

それは決して簡単なことではありません。

大宮がここ最近のアウェー5試合で13得点を挙げているというデータを知れば、なおさらです。


大宮の躍進の大きな要因は、ベルデニック監督のもとで整備された守備と、ノヴァコヴィッチとズラタンのスロベニア人コンビ。

夏場に加入したこの2人だけで9ゴールを挙げており、特に不敗記録が始まってからの活躍は素晴らしいものがありました。

しかし、ズラタンのほうはケガのため帰国したとのこと。

これがどう影響するかというあたりが気になりますが、記録を見る限りでは、彼らの一方がいなくともしっかりと勝利を収めているようなので、決して戦いが楽になることはないでしょう。

大宮としては、過去最高の12位を上回る可能性を残しているようです。

J2の甲府と同じように、例え、大きな目的を達成したとはいえ、不敗記録を伸ばす、シーズンをしっかり戦いきるという意味では、高いモチベーションで戦える状況です。


逆に清水のほうは、ズルズルと落ちていった順位に、必死にしがみついている状態。

いくら川崎戦で手応えの掴める試合ができたからといって、今の清水にこれまでの勢いがないことは明白です。

そんな中で高いモチベーションと高い集中力を維持することは容易ではありません。


ACL圏内という目標は潰えました。

賞金圏内という目標は、実際には飾りに過ぎないものでしょう。

それよりも、プロチームとしての"けじめ"のようなものを見せなければならない試合となるはずです。

3シーズン続けての、すっきりしない最終節セレモニー。

大きな目標を失った時点で、今季も同じようなものが待ち構えていることは否定できませんが、やはり勝利を手にしてリーグ戦を締めくくりたいものです。


相手が変わればサッカーも変わる。

G大阪戦でできなかったことが、川崎戦ではできました。

川崎戦でできたことが、今度の大宮戦でもできるのか。

チームとしての真の強さ、つまりはたくましさのようなものを見せてもらいたいです。


吉田の出場停止のほか、体調を崩したりケガを抱えている選手が何人かいる中、今季の戦いの成果が試される一戦になるでしょう。

調子がよいときだけではなく、苦しいときこそがチームを強くしてきた。

そう思えるようなラストゲームにしてもらいたいです。


今はチームを離れてしまった多くの選手たちと共に戦ってきたリーグ戦。

たくさんの選手たちと歩んできた旅路。

その最後を勝利で飾りたいものです。









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J1第34節 大宮戦@アウスタ 12/1(土)15:30 KICK OFF

関連:清水エスパルス、大宮アルディージャ、アウスタ日本平

at 22:05, macotobatten, 試合 展望

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アウスタへの想い 〜 最終節を前に

JUGEMテーマ:清水エスパルス

2009年第34節、名古屋戦@アウスタ △0-0。

泥沼の5連敗を脱するものの、極寒の雨の中、怒号の飛び交う最終節セレモニー。


2010年第34節、G大阪戦@アウスタ ●0-3。

ACL出場圏内を前節で逃し、失意の中での惨敗。

サポーターを前にしての、健太監督の最後の挨拶も、主力移籍のゴタゴタに濁る。


2011年第34節、G大阪戦@アウスタ ●1-3。

優勝の可能性を残していたG大阪を相手に、この年も完敗。

負けて歌った王者の旗が脳裏に焼き付いています。


最終節をアウスタで迎えるシーズンが続いている清水。

今季もまた、最終節は聖地アウスタでの試合となっています。

聖地とはいえ、ここ数年の終盤は、なかなか勝てないスタジアムとなってしまっています。

「まだ天皇杯が残っています」が決まり文句となっています。

今季こそは、勝ってセレモニーを迎えたいものです。

4年目の正直となるでしょうか…。


しかし、過去3年間と異なる点があります。

それは、天皇杯を含めても、この試合がアウスタでの今季ラストゲームとなるということ。

これまでは、リーグ戦が終わってもアウスタでの試合が残されていました。

今回は、長居→長居→エコパ→国立というように、勝ち上がったとしてもアウスタでの試合はありません。


アウトソーシング(株)とのネーミングライツ契約が切れる今季。

新たな契約先の募集が始まっています。




「アウスタ」の名で慣れ親しんできましたが、当初は違和感を抱いたものでした。

それまでずっと「日本平スタジアム」と呼んできたわけで、「アウスタ」という愛称には不思議な感覚をもちました。

しかし、今ではすっかり馴染みのあるものとなりました。

「日本平」という地名にリスペクトを抱きながらも、「アウスタ」という呼び名に疑問をもつサポーターはおそらくほとんどいないでしょう。

苦しい経済状況の中、ネーミングライツの契約だけではなく、袖スポンサーとしてもクラブを支えてくれました。

契約成立の時期は、ちょうど派遣事業が社会問題化していた頃で、企業としても苦しい状況だったと思います。

自治体、クラブ、企業の三者が妥協点を見出しながらの契約締結だったと記憶しています。


契約が切れる来シーズン以降、「アウスタ」の名前がどうなるのかはわかりません。

アウトソーシング(株)との交渉は、公募というプロセスを経てからになるでしょう。

来季のユニフォームの袖にも「アウトソーシング!」の文字があったので、命名権についても契約延長の可能性が高いとは思います。

しかし、「アウスタ」の名が今季限りという可能性もあります。

そうなれば、「アウスタ」という名で行われる公式戦は、今度の大宮戦が最後ということになります。


どちらにしても、今の契約上は、「アウスタでの最終戦」。

たくさんの感動を与えてくれた「アウスタ」に感謝したいと思います。


前節の「ありがとう等々力」のようにはいかないでしょうけど、ぜひとも「アウスタ」の名に恥じないサッカーを見せてもらいたいところです。

そんな最終節に参戦できないおいら。

今季最後のアウスタは、10月の天皇杯東京V戦。

まさか、これほどまでに欠席が続くとは。


大宮戦に参戦されるみなさん、アウスタを最高の雰囲気にしてください。

そして、勝利して勝ちロコを踊りたいですね。










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関連:清水エスパルス、アウスタ日本平

at 23:21, macotobatten, クラブについて

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ミドルシュート禁止令を考える

JUGEMテーマ:清水エスパルス

「ゴトビ監督になって、シュート数が減った。」

この感覚は、清水サポーターの誰もが抱いているものだと思います。


実際に、健太監督時代の2010年からの3シーズンのシュート数を数えてみると次のようになります。


2010年:409本

2011年:338本

2012年:286本 ※第33節終了時点


その減りようは明白です。

2010年には34試合中の27試合で2桁のシュートを放っていたのに対し、

2011年には16試合、2012年には11試合にとどまっています。

2010年は岡崎とフローデという強力な2トップがいたわけですが、それにしても、この減り方は大きなものです。

あの頃でさえ、「もっとシュートの意識をもて」と思っていたわけですから、今のゴトビ監督のサッカーに不満を感じるのは仕方がないことかもしれません。

おいらもそう思っています。


ただ、ゴトビ監督がシュートを撃つことを否定しているわけではないと考えるのがおいらの立場です。

つまりは、ミドルシュート禁止令という言葉がときどき聞かれるわけですが、そうではないだろうということです。

練習試合などのあとの若手選手のコメントには、ゴトビ監督が「ミドルシュートを禁止している」ということを匂わせるものが含まれています。

具体的には書きませんが、先日の練習試合でもそういったコメントがありました。

若い選手たちは、シュートを撃つことを、どうやら躊躇しているようです。


おいらは、ゴトビ監督のメッセージを読み違えてはいけないと思います。

ゴトビ監督は、決してシュートを撃つことを否定してはいません。

現に、これまでシュートを数多く放った試合では、ゴトビ監督の前向きなコメントが伺えます。

昨季のアウスタでの名古屋戦(23本)での勝利はもちろんのことですが、

敗戦となった昨季アウェー名古屋戦(20本)、今季アウェー大宮戦(16本)、そして先日のアウェー川崎戦(15本)…、

その全てにおいて、ゴトビ監督は前向きな発言をしています。

たとえ勝てなくとも、ゴールが生まれなくとも、シュートを放つ姿勢を否定はしていません。

むしろ、そのシュートに興奮し、外れれば天を仰ぎ、決まれば全身で喜びを表現する。

ゴトビ監督自身が、最もゴールに渇望している人間の一人だといえます。


では、若い選手たちのコメントから何が読み取れるのか。

それは、ゴトビ監督が高い効率性を求めているということです。

つまりは、"無駄撃ち"はするな、ということ。

監督や選手のコメントから、ゴトビ監督が常にゴールの可能性の高い選択肢を選ぶことを要求していることがわかります。

シュートを放つよりもパスの方がゴールの可能性が高いならば、シュートではなくパスを選択せよと。

それは、非常に理にかなった方法であります。

しかし、エキサイティングなシュートシーンを期待するサポーターの想いとはズレが生じる可能性も含んでいます。

事実、今のサッカーに魅力を感じているサポーターは、もしかしたら少数派なのかもしれません。


ゴトビ監督は、攻撃陣に高い個人能力を求めています。

それは、過去に広まった「20得点できるFW」という言葉からもわかりますし、現在もFW陣の能力に対する不満は伝わってきます。

彼が今まで指揮してきたチーム、及びコーチとして所属してきた代表チームに比べれば、仕方のないことなのかもしれません。


しかし、それはゴトビ監督が攻撃面における戦術を放棄していることにはならないと捉えています。

そもそも、サッカーというスポーツにおいて、個の能力は重要な要素です。

とりわけ、攻撃陣においては、個の能力なくしてゴールの量産はあり得ません。

戦術だけでゴールが生まれるのであれば、世界各国の有能なストライカーにあれほどまでの年棒は積まれないでしょう。

戦術でカバーできる範囲は、守備と攻撃では大きく異なります。


個の能力ともう一つは、選手同士の連係。

この部分については、今の清水に最も足りない部分だと思います。

そこには、ラストパスの精度のほか、ボールの受け手の動き方も重要になってきます。

優勝を果たした広島のサッカーを見ていると、そのあたりが実に見事です。

寿人が欲しいところにボールが来る。

ボールが来ると思われるところに寿人が走り込む。

生まれるべくして生まれたゴールの数、それが22ゴールという数字なのだと思います。


シュートシーンに話を戻せば、つまりは、今の清水の選手はシュートを撃つべき態勢を作れていないということだと思います。

個の力で打開し、パスよりもシュートを撃つべきだという状況を作らなければなりません。

選手同士の連係を生かし、パスよりもシュートを撃つべきだという状況を作らなければなりません。

ただシュートを撃てばゴールが決まるのであれば、それはフットボールではないでしょう。

いかにシュートを撃てる状況を作り出せるか。

そこには当然戦術というものが必要なのだとは思いますが、それよりも大事なことは、選手自身がもっとコミュニケーションをとり、攻撃の質を高めることだと思います。


ただクロスを上げてもゴールは生まれません。

ただボールを回してもゴールは生まれません。

どうやってゴールを奪うのか。

それは、監督に教えてもらうのではなく、ピッチに立つ自分たちが見つけるものだと思います。

監督から与えられるサッカーをやるのではなく、監督の示したサッカーを生かすのがプロのサッカー選手だと思います。

そういった意味では、まだまだ今の清水の選手は若いし、自立できていないと思います。

だからこそ、川崎戦では大悟のプレーが生きていたし、決定的な仕事はできずとも、タカのプレーは大きなアクセントとなっていました。


ゴールを決めるのは監督ではない、自分なんだと、選手たちがそう思うことができれば、今のヤングエスパルスがもう一段階段を上ることができるのだと信じています。






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関連:清水エスパルス、

at 23:38, macotobatten, クラブについて

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等々力の風景(11/24) 〜 アリガトウトドロキ

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メインスタンド改修前の最後の試合。

試合前のイベントや看板、川崎の選手たちのコメントなどから、その大事な試合を勝利で飾ろうという想いが伝わってきました。

個人的には、等々力陸上競技場に足を運んだのはわずかに3回のみ。

それも、ここ3年間。

ヴェルディが本拠地としていた頃にはまだ学生で、もっぱらのテレビ観戦でした。

フロンターレの本拠地となってからも、なかなか参戦する機会のなかったスタジアムでした。

等々力陸上競技場の歴史の一端すら理解していないおいらですが、最後の試合に出合うことができたのも、何かの縁かもしれません。


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秋一色。


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イチョウ並木も美しかったです。


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隣のグラウンドでは少年サッカー。

テニスコート、野球場、プール、体育館、さらには池などもある等々力緑地。

首都圏のスタジアムにしては、広大な敷地と自然に囲まれた施設だといえます。


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フロンパーク。

スタジアムの開場が15:30で、パークの開場が14:00。

電車や自転車での来場が多い川崎サポーターの出足がゆっくり目だからか、昼時にフードコートがやってないのは意外でした。


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ふろん太くん。


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噂の塩ちゃんこ。

他のものでお腹いっぱいになったために、パスしてしまいました。


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お煎餅やさん。


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とんとこ飴。

川崎名産とのこと。


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こうやって毎試合両チームのカラーにちなんだ飴を販売しているようです。

「新潟や大宮の場合もオレンジなんですか?」と質問してみたところ、

「毎回変えています。桃とか葡萄とか。」というお返事。

桃は大阪のあちらで、葡萄は初優勝のあちらでしょうか。

質問の意図があまり伝わらなかったようで、反省。

まさか、桃味で大宮飴ってことはないでしょう。


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川崎といえば、バナナ。

計算ドリルは見つかりませんでした。


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改修前の記念として、掲げられていたメッセージフラッグ。

川崎から世界へ旅立った川島。


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ヴェルディの顔、ラモス氏のものも。

川崎フロンターレとヴェルディ川崎の間にあるアレコレはよくわかりませんが、こういうのは大事かと。


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ちょうど一年前、涙の別れを演じたジュニーニョ。

下の写真が鹿島のユニフォームなのは謎です。

ちなみに川崎はナビスコ杯で優勝した鹿島にお祝いを贈ったのだとか。

こういうのも大事、なのかな?


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まずはメインスタンドを改修、ってちゃんと把握していれば、もっとしっかり写真に収めたのに。

ゆくゆくはバックスタンドやサイドスタンドも改修の予定のようです。


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これで等々力競技場の歴史に幕が下ろされる、みたいな雰囲気でしたが、あくまでも使用休止。


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ゴール裏はほぼピッチレベルの高さで、しかも傾斜が緩く、試合を観ていても戦術的な部分はほとんどわからず。

遠近感が掴めないために、チャンスかと思えばそうでもなかったなんてことばかりでした。

これで陸上トラックがなければ、臨場感は抜群だったでしょうけど。


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試合後のセレモニーを背に、足早にスタジアムを離脱。

心残りは、3回の参戦で勝ちロコが一度もできなかったこと。


2013年シーズンの最初の数試合は、ここ等々力ではなく国立競技場で行うのだとか。

できれば、国立はパスしたいものです。





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J1第34節 大宮戦@アウスタ 12/1(土)15:30 KICK OFF

関連:清水エスパルス、川崎フロンターレ、等々力陸上競技場

at 22:36, macotobatten, スタジアムの風景

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最後まで共に戦いたい 〜 J1第33節 川崎戦@等々力 参戦後記

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先だって行われた他会場の結果により、サンフレッチェ広島のリーグ優勝が決定。

それでも、清水エスパルスの戦う目的は変わりません。

それは、ACL出場権という具体的な目標だけではなく、自分たちのサッカーを取り戻すということ。

失った自信を再び取り戻し、あの国立の舞台で味わった悔しさを"糧"にしなければなりません。

あの試合が"失望"ではなかったということを証明するために。


そういった意味でいえば、この川崎戦は、十分ではないにしても、手応えの掴める試合であったと思います。

「内容がよかった」なんていうありきたりの言葉では片付けたくありません。

それはこれまでにも幾度も繰り返し使ってきた言葉。

ここでそれを使っても、仕方がないと思います。


この試合に見た選手たちの意識とは何か。


シュート数は15本を数えました。

シュート数が全てを表すわけではありませんが、G大阪戦との違いは明白です。

大悟の2本のシュートは、いずれも遠目から。

後半に放った石毛、俊幸のシュートも同じでした。

この試合で多かったのは、ミドルレンジからのチャレンジでした。

ゴールへの意識は、確実に変わりました。

川崎のプレスが甘かったこともあったかもしれませんが、G大阪戦の反省が生きた部分は大いにあったと思います。


また、球際での競り合いでは、常に優位性を得ていたように思いました。

激しさや強さといった点では、決してフィジカル的に優れているわけではない清水が勝っていたと感じました。

それは、戦う姿勢の表れだといえます。

そして、自分たちがこれまでやってきたことを思い出したといえるのかもしれません。


ゴトビ監督が投じた手立てにも変化が3つ見られました。


1つ目は、前線のメンバー構成。

特にCFに元紀を配置することは、川崎にとっても想定外だったでしょう。

賢聖とは全くスタイルの異なるCFが入ったことで、相手DF陣に混乱も見られました。

元紀が前線に張るというよりは、縦横無尽に動き回ることで、実質のゼロトップのような形になっていました。


その結果生きたのが、2つ目の変化。

大悟の先発です。

八反田の負傷により、やむを得ずの投入だったかもしれませんが、おそらくスルーパスの技術はチームNo.1だろうと思われる大悟がトップ下に入ることで、元紀のCFが最大限に生かされたように思います。

これまでの清水に足りなかったパーツ。

それを見ることができました。


3つ目は、河井のポジション取り。

これまで、浩太が不在の場合は大輔のワンボランチとし、河井は攻撃的なポジションで起用してきました。

G大阪戦でも、浩太が負傷退場した際にシステム変更をしています。

そして、G大阪戦後のゴトビ監督のコメントからは、それがシステム変更せざるを得なかったからだということが読み取れました。

連携面で不安があったのかもしれません。

この1週間で、河井を大輔の横で使うことを念頭に入れた練習をしてきたのでしょう。

この試合では、河井をこれまでよりも低い位置に置きました。

これにより、大輔が積極的にボール奪取に行けるシーンが増えました。

そして、壁が2枚になることで、中央突破の多い川崎の攻撃を封じることに成功しました。

これまでに浩太と大輔が担ってきた役割を、河井と大輔のコンビで実現できていたように思います。


逆に、変えなかったことは何か。

決してラインを下げないということ、前線からプレスをかけるということ、しっかりボールをつないでいくこと、あたりでしょうか。

そして、好調時に見せていた、"しぶとさ"というものも戻ってきたように感じました。


ただし、やはり負けは負け。

惜しかったミドルシュートも入らなければ勝利にはつながらない。

いくら効果的なパスが入ろうとも、決められなければ意味がない。

そしてやはりラストパスの精度はかなり厳しい。

球際で勝っても、結局は裏を突かれての失点。

林には何度も救われました。

交代カードも勝利を手繰り寄せるには至りませんでした。


でも、チームとしての"方向性"は見ることができたかなと思います。

それは、"答え"ではないかもしれないし、当然完成形ではないでしょう。

素人がああだこうだ言わずとも、今の課題など、選手たちが一番わかっているはずです。

そこに背を向けずに、チャレンジしていくのだという姿勢は見ることができました。

悔しい思いや残念な思いがあった等々力遠征でしたが、その点では満足です。


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11月の公式戦4戦全敗という、重い現実が目の前を覆う試合となりました。

リーグ戦3位以内の可能性が消滅し、順位も9位に後退。

公式サイトのトップページにデカデカと表示される「9位」の文字が虚しく思えます。

まさに"定位置"に辿り着いた清水エスパルス。


この状況で、選手がそれぞれに何を考え、最終節をどう戦うのか。

その先にあるであろう"答え"をどう見つけていくのか。

そして、最も大事なことは、サポーターがそれを共有できるのかということ。


この試合。

パスミスはあっても、選手たちの想いはバラバラじゃなかった。

そう思いました。


もう一度「一つ」にならなければいけないのは、おいらたちサポーターなのかもしれません。

選手個々がどうこうとか、監督がどうこうとか、目標が消えてどうこうとか、来季がどうこうとか、そんなことはあとにして、少なくともシーズンが終わるまでは、選手と想いを共有し、戦いたいです。

必要なことは水面下でフロント陣がやってくれていると信じています。

それよりも、今はやるべきことがあるはず。

CIMG7532.JPG

最後まで共に戦おう!!

海人の言葉を思い出しながら、そう思います。



J1第33節 川崎戦@等々力 現地入り』(2012/11/24)

価値はあったのか 〜 プレーオフと大分の昇格決定 【J特】』(2012/11/23)



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関連:清水エスパルス、川崎フロンターレ、等々力陸上競技場、高木俊幸

at 21:42, macotobatten, 試合 参戦後記

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