2012.11.29 Thursday
旅路の果てに 〜 J1第34節 大宮戦@アウスタ 展望
JUGEMテーマ:清水エスパルス
今のJ1で最も強いクラブは、優勝した広島ではなく、大宮なのかもしれません。
第24節の浦和戦から始まった不敗記録は、ついに10まで伸び、天皇杯の2試合を含めれば、公式戦は12戦無敗。
一時は-20であった得失点差は、ついに-7までに回復し、最終節を待たずして残留確定を果たしました。
リーグ戦終盤の勝負強さは以前から有名であり、常に残留争いの渦中にいながらも、それを乗り越えてきました。
G大阪と戦う磐田のように、残留を賭けた相手と最終節を戦うよりは、戦いやすいでしょう。
ただ、それは余計なことを考えなくてよいというだけであって、決して勝利の可能性が高まることにはつながりません。
10試合でわずか4失点という強固な守備陣を打ち崩し、同じく10試合で17得点という強力な攻撃陣からゴールを守らなければなりません。
それは決して簡単なことではありません。
大宮がここ最近のアウェー5試合で13得点を挙げているというデータを知れば、なおさらです。
大宮の躍進の大きな要因は、ベルデニック監督のもとで整備された守備と、ノヴァコヴィッチとズラタンのスロベニア人コンビ。
夏場に加入したこの2人だけで9ゴールを挙げており、特に不敗記録が始まってからの活躍は素晴らしいものがありました。
しかし、ズラタンのほうはケガのため帰国したとのこと。
これがどう影響するかというあたりが気になりますが、記録を見る限りでは、彼らの一方がいなくともしっかりと勝利を収めているようなので、決して戦いが楽になることはないでしょう。
大宮としては、過去最高の12位を上回る可能性を残しているようです。
J2の甲府と同じように、例え、大きな目的を達成したとはいえ、不敗記録を伸ばす、シーズンをしっかり戦いきるという意味では、高いモチベーションで戦える状況です。
逆に清水のほうは、ズルズルと落ちていった順位に、必死にしがみついている状態。
いくら川崎戦で手応えの掴める試合ができたからといって、今の清水にこれまでの勢いがないことは明白です。
そんな中で高いモチベーションと高い集中力を維持することは容易ではありません。
ACL圏内という目標は潰えました。
賞金圏内という目標は、実際には飾りに過ぎないものでしょう。
それよりも、プロチームとしての"けじめ"のようなものを見せなければならない試合となるはずです。
3シーズン続けての、すっきりしない最終節セレモニー。
大きな目標を失った時点で、今季も同じようなものが待ち構えていることは否定できませんが、やはり勝利を手にしてリーグ戦を締めくくりたいものです。
相手が変わればサッカーも変わる。
G大阪戦でできなかったことが、川崎戦ではできました。
川崎戦でできたことが、今度の大宮戦でもできるのか。
チームとしての真の強さ、つまりはたくましさのようなものを見せてもらいたいです。
吉田の出場停止のほか、体調を崩したりケガを抱えている選手が何人かいる中、今季の戦いの成果が試される一戦になるでしょう。
調子がよいときだけではなく、苦しいときこそがチームを強くしてきた。
そう思えるようなラストゲームにしてもらいたいです。
今はチームを離れてしまった多くの選手たちと共に戦ってきたリーグ戦。
たくさんの選手たちと歩んできた旅路。
その最後を勝利で飾りたいものです。
『変わったものと変えないもの 〜 J1第16節 大宮戦@NACK 参戦後記』(2012/7/1)
『アウスタへの想い 〜 最終節を前に』(2012/11/28)
『ミドルシュート禁止令を考える』(2012/11/27)
『等々力の風景(11/24) 〜 アリガトウトドロキ』(2012/11/26)
『最後まで共に戦いたい 〜 J1第33節 川崎戦@等々力 参戦後記』(2012/11/25)
at 22:05, macotobatten, 試合 展望
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