2012.09.30 Sunday
"きっかけ"を次に生かせるか 〜 J1第27節 仙台戦@アウスタ 参戦後記
JUGEMテーマ:清水エスパルス
「それでも、サッカーは何が起こるかわからないから…」
サポーター仲間とそう話し、後半の"何か"にすがろうした、そんなハーフタイムでした。
それほどに、前半の戦いは期待の薄い内容でした。
開始早々の石毛のシュートは、この試合で何かが変わるという期待を感じたものでしたが、結局は前半のシュートはこの1本のみ。
失点シーンは呆気にとられました。
突然の出来事でした。
相手のスローインから完全にフリーな状態でクロスを上げられ、完全にフリーな状態で、完璧なゴールを決められてしまいました。
それは、まるで練習風景のようでした。
クロス対応には石毛が慌てて向かいましたが、果たして誰が行くことになっていたのか。
ゴール付近に6人もいた清水の選手たちは、なぜ全員棒立ちだったのか。
そして、CKでもないのに、なぜDFである菅井にあそこで決められてしまったのか。
集中が切れていたとしか思えません。
この日の前半、左サイドが不安定でした。
太田やウィルソンがここに走り込み、慌てて記帝が対応するという場面が何度もありました。
この2人のスピードに記帝がついていくことができず、非常に危険でした。
右SBに入ったのは、Jリーグ初先発となった三吉。
守備では危なげないプレーを見せてくれましたが、攻撃面に関しては、元紀との連係も十分ではなく、ブレーキの印象がありました。
本職ではないポジションなので、これからに期待したいと思います。
その三吉がSBに入ったことで中盤に回ったのは河井。
仙台のハイプレッシャーを受け、ミスが相次ぎました。
前半は、元紀のクロスに反応する惜しい場面がありましたが、それ以外は大きな見せ場はありませんでした。
後半に右SBに"戻って"からは、攻撃に絡む場面が増えたように思います。
次節は吉田が復帰し、大輔も出場停止が明けます。
ゴトビ監督が河井の使いどころをどう見るのか、注目です。
この日2ゴールを挙げ、ヒーローインタビューにも応えた賢聖。
結果を出すのがFWの仕事とはいえ、前半はその結果には程遠いように感じました。
後方からのロングボールに何度も合わせようという場面がありましたが、1ゴール目のように、横からのクロスのほうが合わせやすいようです。
この日の前半のプレーと後半のゴールシーンを分析しながら、彼に合ったボールというものをチームで共有することができれば、チームとしても、賢聖個人としても、さらに良い結果が生まれるでしょう。
その賢聖のゴールを生みだしたのが、瀬沼の投入だったといえます。
相手が10人になり、"自滅した"という見方が大半を占めているようですが、これまでの清水なら引いて守る相手には苦戦するはず。
事実、相手が引くようになってからも、結局は5本程度しかシュートを打てていません。
クロスの数は相当だったと思いますが、それがなかなかシュートにまでは至りませんでした。
ここまでは、いつものとおり。
しかし、昨日は瀬沼が入り長身FWが2枚になったことで、その迫力が増したように思います。
石毛、賢聖、瀬沼、元紀の4人が最前列に横に並ぶという、実質の"4トップ"をとることで、相手を完全に押し込むことに成功しました。
そこには、浩太のアグレッシブな守備や落ち着いたボール回しと、仙台が中盤をポッカリと空けてくれたことも、大きな要因があったと思います。
前半はほとんど上がることのなかった記帝が、後半はほとんどの時間を相手陣内でプレーしていました。
そして、クロスをキャラに委ねる余裕も、チームには生まれました。
賢聖の初ゴールにつながったクロスはスピードもコースも素晴らしいものでした。
相手が10人になったから賢聖と瀬沼を並べたのかと思っていたのですが、どうやら前日にも2トップの練習をしていたとのこと。
もともとプランにあった選手交代だったということでしょうか。
"サイド偏重"という皮肉用語さえ生まれている今の戦術。
それでも、サイドから得点を挙げられるのならば、それは立派な戦術になり得ます。
残念ながら、今はそれには至っていないわけですが、その可能性を感じさせる2トップでした。
今のチーム状況を考えたときに、この仙台戦で勝利を挙げることができたのは、非常に大きなこと。
それは、次節のダービー、その翌週のナビスコ杯準決勝につながるものになるでしょう。
それでも、この試合の内容が決して素晴らしいものではなかったということを忘れてはなりません。
個の試合の前半のような戦いを、再びエコパで見たくはありません。
この試合で掴んだ"きっかけ"を、最大限に生かしてもらいたいものです。
それができるのは、若いチームだからこそだと思います。
このチーム、暴走を始めたら止まらない。
そう期待したいと思います。
最後に、この試合でのラフプレーについて。
退場者が出てしまった試合でした。
双方に、危険なプレーがありました。
負傷者も出ました。
それでも、両チームにとってこの試合がどのような意味のあるものなのかが伝わるような、そんな試合だったともいえます。
相手を削りにいくプレーは許されませんし、そういったプレーが見られたのも事実です。
でも、ボールに向かっていく過程での激しさは、むしろ必要なことだと思います。
サポーターは、ケガを恐れて体を避け合うようなプレーを見に来ているわけではありません。
もちろん、カードもファールもないにこしたことはありませんが。
ちなみに、上本が倒れた際の"ブーイング"は、「上本早く立てよ」ではなく、明らかにヤバイ状態なのにオロオロしてなかなか担架を呼ばないレフェリーと、担架が来てもふらつく選手を立たせようとする仙台スタッフに対してのものがほとんどだったと思います。
少なくとも、おいらの周りはそうでした。
心ない罵声もあったかもしれませんが、一部だけだったと信じています。
仙台のスタッフは、結局彼を立たせたままピッチ外まで連れていこうとしていましたが、あれでは時間稼ぎと思われても仕方ないし、危険な対応だったと思います。
上本は、倒れた数秒後には自分で×サインを出し、そのまま全く動きませんでしたから、あれは危険な状態だったと思います。
すぐに担架を呼ぶべきだったし、歩かせてはいけなかったはずです。
結局は救急車で運ばれたようですが、選手の身に大事がないことを祈ります。
『野人、瀬沼優司』(2012/8/10)
『J1第27節 仙台戦@アウスタ 帰路』(2012/9/29)
『J1第27節 仙台戦@アウスタ 現地入り』(2012/9/29)
at 15:20, macotobatten, 試合 参戦後記
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