2012.04.30 Monday
若大将、高木俊幸
JUGEMテーマ:清水エスパルス
悔しくなかったはずがないでしょう。
俊幸がスタメンを外された理由は、"アウェーでの得点がないから"。
もちろんそれだけではないと思いますが、ゴトビ監督の口から最初に出てきたのが、そんな理由でした。
昨季から今季第7節までにJ1リーグ戦で挙げた得点は5得点。
その全てがアウスタでの得点。
"ホームに強い"と評価したいところですが、監督からしてみれば"アウェーに弱い"と判断されたということでしょう。
プロとして育った味スタのピッチには、当然スタメンとして立つつもりでいたはずです。
この試合に懸ける想いと、チームに訪れた絶体絶命の状況が、あの素晴らしいゴールを生みだしました。
まさに光芒一閃。
その鋭い弾道は、ハイビジョンのカメラでさえも振り切られました。
F東京のゴールマウスを守っていた権田に、反応する時間さえ与えませんでした。
ピッチ上に9人しかいなかった清水が得点を挙げただけでも十分にドラマチックだといえるのに、そのゴールを挙げたのが、試合前に味スタを「自分のホーム」と言った俊幸でした。
戸田光洋のラストゴールと、原一樹の亡きお母さんに捧げるゴール。
過去にも、味スタでは記憶に残るゴールがありました。
決して相性がいいとはいえない、いや、相当悪い印象しかない味スタですが、清水エスパルスを応援しているサッカーの神様が、味スタのどこかに潜んでいるのかもしれません。
そうとしか思えないほど、ドラマチックで感動的な瞬間でした。
ドラマでしか、映画でしか、見ることができないようなシーンを、目の前で見ることができる。
しかも、それは創作されたものではなく、選手と選手のアツい想いがぶつかり合って生みだされる"偶然"の物語。
その"偶然"の中に、ほんのわずかな"必然"があることで、それは最高の物語になります。
それが、サッカーであり、スポーツであると思います。
昨季、出場時間1823分間の中で俊幸が放ったシュートは、実に50本。
その50本のうち、ゴールネットを揺らしたのはわずかに2本でした。
今季は、8試合を終えて、14本のシュートを放ち、4得点。
単純にシュート技術が上がったということだけでは説明できない、何かがそこにはあったはず。
昨季空砲に終わった48本のシュートが、今の成果にきっとつながっているはず。
そして、その先に確かにある光を、あのゴールで感じることができました。
あのゴールで見た一閃の光は、これからの俊幸を輝かせてくれるはずです。
俊幸がJ1デビューを果たしたのは、昨季の5月3日の広島戦。
後半10分に、タカに代わってアウスタのピッチに立ってから、まだ一年経っていないのです。
1991年5月25日生まれの20歳。
これからが本当に楽しみです。
ちなみに、スカパー!をはじめあちこちのハイライトで抜かれた「若大将」のゲーフラは、おいらがいつもお世話になっている方のもの。
何だか今の俊幸にぴったりのキャッチフレーズだと思います。
父・豊氏がドラフト入りした1980年度のドラフト会議の目玉が「若大将 原辰徳」だったことが関係しているかどうかは知りませんが…。
『亜人夢と俊幸のJ1デビュー』(2011/5/5)
『高木俊幸として輝ける日』(2011/7/6)
『永井雄一郎と高木俊幸』(2011/7/28)
『俊幸と亜人夢と竹内』(2011/10/12)
『もってる男 〜 J1第4節 札幌戦@アウスタ 参戦後記』(2012/4/1)
『三保の風景(4/29) 〜 感動から一夜明けて』(2012/4/29)
『全員で掴んだ涙の勝利 〜 J1第8節 F東京戦@味スタ 後記』(2012/4/28)
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