<< 前を向くために、前半から 〜 J1第8節 F東京戦@味スタ 展望 | main | 三保の風景(4/29) 〜 感動から一夜明けて >>

全員で掴んだ涙の勝利 〜 J1第8節 F東京戦@味スタ 後記

JUGEMテーマ:清水エスパルス

魂が震えるとは、まさにこのことなのだと思いました。

TV中継を前にして涙が出たのは、おそらく初めてだと思います。

選手たちを誇りに思えた、そんな試合でした。

清水エスパルスを応援していてよかった、心からそう思える試合でした。


先発メンバーには、これまでサポーターの信頼を勝ちとれていない翔とジミーが揃って名を連ねました。

前節のG大阪戦で中盤にタカを起用して"失敗"したばかりなので、多くの清水サポーターが嫌な予感を抱いたはずです。

これで負けたら、その傷跡はちょっとやそっとじゃ済まないだろうと思いました。


主審は西村さん。

FC東京、味の素スタジアム、西村雄一とキーワードが並べば、一体どんなことが起こり得るのか、多くのサポーターは想像していたはずです。


これらの予感は、試合が進むにつれて、まさに既定路線かのように現実化されていきました。


試合序盤こそ、清水がペースを握っていましたが、徐々にF東京が主導権を握るようになっていきました。

ジミーのプレスがなかなか効かないのはこれまで通りでしたが、珍しくキャラの守備も安定感を欠き、最終ラインでたびたびヒヤヒヤするシーンがありました。

アレックスと大輔が中盤で踏ん張ったこともあり、何とか無失点でしのぎましたが、一歩間違えればG大阪戦のように先制を許していた可能性もありました。

そのあたりは運もあったかもしれませんし、清水サポーターの強烈なブーイングが功を奏したのか、F東京の左SBがほとんど効果的な仕事をできなかったことも影響したかもしれません。


次々と清水側に提示されていくイエローカード。

中には西村さんでなければ注意で終わっていたであろうものもありましたが、やはり清水のプレーが荒かったことは否定できません。

特に、開始早々のジミーの行為は軽率だったし、アレックスの2枚目のシーンも、主審が西村さんであれば、避けるべき行為だと思います。

全てをジャッジのせいにすることは簡単ですが、もう少し順応する必要があったようにも思いました。


そんな中で2人の退場者を出し、現実的には敗北フラグが立っていたはずです。

しかし、選手たちは下を向きませんでした。

サポーターも声を出し続けました。

それは、TVを通してしっかり伝わってきました。


そして、俊幸の決勝ゴール。

魂を感じたゴールでした。

それは、味スタで育ったという個人的なものだけではなく、チームとしての、何か目には見えないものを背負ってのゴールでした。


相手の左SBからの絶妙な"パス"をタカが受け、猛然とカウンターを発動。

タカとともに駆け上がった俊幸が、DFとの駆け引きを制してうまくボールを受け、豪快にF東京ゴールへ蹴り込みました。


優勝を決めたわけでも、残留を決めたわけでもない。

冷静に考えれば、リーグ戦34試合のうちの1試合。

でも、そうではない何かがそこにはありました。


明日の新聞には「清水が9人で勝った」みたいな言葉が並ぶでしょう。

確かに試合終了の時点でピッチに立っていたのは9人でした。

即興で出された断幕も、最高でした。

でも、9人で掴み取った勝利ではありません。

ましてや、俊幸1人でも、タカと俊幸の2人でもありません。

チーム全員で勝ち取った勝利。

ジミーがこの試合で勝利に貢献したかといえば、それはかなり厳しいでしょう。

それでも、彼もまたピッチでチームのために戦った戦士の一人。

アレックスもまた同じ。

ベンチの選手も、ベンチ外の選手も、スタッフも。

そして、サポーターも。


ゴトビ監督が使い続けてきた「ファミリー」とは、まさにこのことを言うのだと思います。

単なる仲良し集団を指すのではありません。

最後まで共に戦い抜く集団であること。

それがファミリーなのだと思います。


決して下を向かないこと。

最後まで諦めないこと。

90分間戦い続けること。

言葉で言うのは簡単だけど、それを果たすのは簡単ではありません。

今日は、それを見事に果たしてくれました。


8枚のイエローカードは、次戦以降の戦いを苦しいものにするでしょう。

それでも、今日の成功体験の価値は、計り知れないものがあるでしょう。

昨季の名古屋戦のそれをはるかに上回るはずです。


5-0で勝利しても、決して味わうことのできない何かがありました。

TVでもその感情が溢れるほどに沸き上がってきたのだから、現地のゴール裏はとんでもないことになっていたことでしょう。

選手たちもまた同じはず。

林と海人が抱き合う姿が非常に印象的でした。


次の戦いは、アウスタに鹿島を迎え討ちます。

G大阪に5-0で圧勝し、リーグ戦3連勝なのだとか。

意気揚々と乗り込んでくるでしょう。

清水のほうも、これで4位に浮上。

チームの雰囲気は最高潮。

ゴールデン生中継にふさわしい舞台は整いました。

あとは、アウスタをオレンジに染めるのみ。



白崎凌兵vs.FC東京』(2012/4/25)




にほんブログ村 サッカーブログ 清水エスパルスへ
にほんブログ村

にほんブログ村 サッカーブログへ
にほんブログ村
↑↑↑↑
一日一回どちらかにクリックをお願いします。

次戦は…

J1第9節 鹿島戦@アウスタ 5/3(木)19:00 KICK OFF

関連:清水エスパルス、FC東京、味の素スタジアム、高木俊幸、西村雄一

at 21:38, macotobatten, 試合 後記

comments(12), trackbacks(0), - -

comment
coco, 2012/04/28 10:31 PM

ホント魂が震えた劇的な試合でしたp(^_^)q
周りのサポも皆さん涙が止まらず感動。
試合後は、ゴトビさんが巌さんを連れて来て、
伸二と3人で両手を掲げ勝利を喜びました。

俊幸がゴール裏に深々と涙目で頭を下げ、バックにも行き、更にはサポと握手をして喜びを分かち合い、俊のチャントが手拍子だけでゆっくりとなり、そしてテンポを上げて彼をそしてエスパを讃え見送ったのは興奮と感動でした!
そして、歓喜の勝ちロコは、最高潮(*^^*)

GO!, 2012/04/28 10:33 PM

初めてコメントさせていただきます『GO!』と申します。

味スタのゴール裏行って来ました。
2人が退場して、『もうダメか…』と思ったときに、交代出場した高原と高木がやってくれましたね。
勝ちロコ最高です。

清水の次郎吉, 2012/04/29 1:08 PM

久しぶりの訪問です。

今朝の讀賣新聞「高木9人の清水を救う」をもう5回くらい読みました。

いつも4、5人で攻めても点が取れないのに高原、高木の「高、高コンビ」での得点。しかも高原がボールを奪ったのはあの某左SBのパスミス。本当にうれしかったです。

coco, 2012/04/29 3:25 PM

読売新聞の記事の大きさと写真のセレクトは、素晴らしいp(^_^)q
ちなみに『一丁目』さんのブログに昨日の俊の感動編がYouTubeでUPされてますね。

ミニビーン, 2012/04/29 3:56 PM

初めまして

ミニビーンと申します
初コメ致します

昨日の試合僕もTVだったのですが試合後の俊幸の表情をみて泣けてきました
また白崎のご両親も味スタにいらっしゃったそうですね

2人とも清水の未来を背負っている逸材だと思うので更なる高みを目指して頑張ってほしいです!!!!


またいつものような読みごたえのあり面白い記事を期待しています。

失礼します

arata02, 2012/04/29 4:33 PM

あいつのバックパスをかっさらったタカ。
そして、思い入れが強い味スタでゴールしたトシ。

最後は集中力を保ったDFや、長すぎるロスタイムでうまく時間を使った戦い方。
この日のセットプレーはマンツーマンでした。
今まで課題だったところが上手く修正されてました。

そして9人になっても最後まで闘いぬいた選手たちを本当に誇りに思いましたし、エスパルスのサポーターでよかったと思いました。

9人での勝利は対浦和戦以来ですが、本当に心が震える勝利ですね。

トシの涙をこらえながらのヒーローインタビューも、ゴトビ監督の「人数ではなく質の高さの勝利」って言葉がめちゃくちゃかっこよかったです。

macotobatten, 2012/04/29 8:59 PM

>cocoさん

ゴール裏の盛り上がり、TVでも十分伝わってきましたが、現地ではもっとすごかったんでしょうね。

敵地で、しかも相性の悪かった味スタでそれを味わえたことが、また素晴らしいですね。

macotobatten, 2012/04/29 9:02 PM

>GO!さん

清水エスパルスの勝ちロコは、選手とサポーターが一体となれる最高の瞬間ですね。

輪になったり、タオル振り回したり、ねばゆるったりとは、比べ物にならないと自負しています。

ましてや、あんな試合の後なら…。

macotobatten, 2012/04/29 9:06 PM

>清水の次郎吉さん

今日は各紙でニヤニヤしてしまうような記事が並びましたね。

交代で入った2人がってところがまた、ドラマチックですよね。
その起点となった彼のパスも。
よりによって、彼ってところが。

macotobatten, 2012/04/29 9:11 PM

>cocoさん

風間新監督の初采配、横浜FMの今季初勝利、鹿島vsG大阪と、話題の多かった今節でしたが、それに勝るトピックとなりましたね。

読売の記事は読めていないのですが、きっと素晴らしい記事なのだと想像します。

macotobatten, 2012/04/29 9:14 PM

>ミニビーンさん

ありがとうございます。

白崎がベンチにも入っていなかったのは残念でしたね。
でも、あの結果なら仕方がないかな。

アウスタでのF東京戦に期待しましょう。

将来が非常に楽しみですね。

macotobatten, 2012/04/29 9:17 PM

>arata02さん

本当に誇れる勝利でしたね。

9人になるまでは不満の残る戦い方でしたが、サッカーというものは何がどう影響を与えるかわかりませんね。

最後の10分間は、とても2人少ないとは思えない内容でした。
特に、選手の表情が、全く持って逆の立場になっていました。

チームとしての質の高さを見ることができましたね。