2012.04.01 Sunday
もってる男 〜 J1第4節 札幌戦@アウスタ 参戦後記
JUGEMテーマ:清水エスパルス
試合開催が心配されるほどに荒れた昼間の天気から、嘘のように晴れ渡った空へ。
雲に覆われていた富士山も、その壮大な姿を見せてくれました。
ところが、雨が上がっても収まらない強風とともに、気温は一気に下がり、試合開始の頃には13.5℃、試合終了時には10℃近くにまで。
湿度も、スカパー!の中継では33%。
公式記録は47%でしたが、それでも大雨から3時間後の数字とは思えません。
試合前にも、HTにも水を撒く光景から、ピッチが強風によってあっという間に乾燥していったことが伺えます。
公式記録では"中風"となっていますが、実際にはGKの蹴ったボールが押し戻されてハーフラインに届かないほどの強烈な風が吹いていました。
そんな中で、清水と札幌の両チームが放ったシュートは4本と3本。
数字だけを見れば非常に地味なものであり、実際に寒ささえなければ眠たくなってしまうような試合内容でした。
それでも、あの場に居合わせたサポーターなら、ピッチ上がいかに過酷な状況であったかは想像がつくでしょう。
サッカーとは、相手があって、様々な要因が重なり合って成立するもの。
厳しい状況の中で戦い抜いた選手たちを称えたいと思います。
チームが成長していく過程において、それは決して右肩上がりにはいかないもの。
チームとは、良い時とそうでない時を繰り返しながら、少しずつそれを糧に成長していくもの。
昨日の試合は、誉められるような内容ではありませんでしたが、"とにかく勝ち点3を"という願いを成就させたという点においては、非常に価値ある試合であったと思います。
昨日のような"難しい"試合をものにしてこそ、その先の理想のサッカーがあるはずです。
内容がどうであれ、相手がどうであれ、昨日の試合に勝利したことこそを成長の証として捉えたいと思います。
厳しい90分間の中でも、最も苦労したのが前半20分あたりまでの試合立ち上がり。
試合前記で心配していたことが的中した形となりました。
これまで3試合で見せたサッカーはどこにもなく、前目からプレッシャーをかけてくる札幌に対して消極的なプレーばかりが目立ちました。
風の影響もあったのでしょうけど、中盤で簡単なパスミスを繰り返し、ほとんど攻撃の形を作れませんでした。
20分過ぎからは徐々に清水のペースとなりましたが、今度は引き始めた札幌DF陣を崩すことができず、以前によく見られた横パスばかりのサッカーへ。
縦パスを出そうにも、ボールをもらう動きに連動性がなく、結局パスコースを作れずに横へ横へ、そして後ろへ。
選手同士の距離感もバランスが悪く、特に両WGの位置がいつも以上に開ききってしまい、完全に孤立状態に。
ボールが渡っても、そこで得られる選択肢は、個人で突破することのみ。
元紀も俊幸もことごとく札幌DFに阻まれました。
よって、サイド攻撃もできなければ、固められた中央を突破することもできず。
結局45分間に見たものは、ただボールが両チーム間を行ったり来たりする光景のみ。
札幌の拙攻も重なり、実にもやもやした前半となってしまいました。
この状況を打破したのは、後半のアタマから投入された大悟と、数少ないチャンスをしっかりと決めた俊幸。
河井に代わってピッチに立った大悟は、持ち前のテクニックを生かしながら、小野とともに中盤の舵取り役に。
早くもその成果が得点という形で表れました。
大悟から小野へとボールが渡り、小野が前線へ送ったボールのこぼれ球を再び大悟が拾い、そこから元紀を経由して俊幸へ。
難しい角度でしたが、俊幸が落ち着いてゴール左隅にシュートを決めて、これが決勝点となりました。
最近よく聞かれる"攻撃のスイッチ"という言葉を用いれば、そのスイッチを入れたのはまさに大悟から小野へ出されたパスであり、その直後に大悟が見せた前線へのランニングだったといえます。
結局、俊幸がゴールを決めた瞬間には、大悟、アレックス、元紀、俊幸と、4人の選手がペナルティエリアに入っていました。
一瞬の切り替えでこれだけの選手がエリア内に入り込むことで、6人で固めていた札幌の守備陣にも綻びが生じたということだと思います。
90分を通して攻撃らしい攻撃はこの1回のみでしたが、これまでこういったチャンスを逃した挙句に勝ち点を取りこぼしてきましたので、素直にこのゴールと勝利を喜びたいと思います。
そして、そのゴールを決めた俊幸は、これで今季はアウスタでのゲームでは2戦連続でのゴール、そしてお立ち台となりました。
清水に移籍してから公式戦で挙げた6得点のうち、5得点がアウスタでのゴール。
決して全てのプレーで輝いているわけではありません。
周囲との連係もまだまだのところがあると思います。
それでも、しっかり"結果"を残せるようになりました。
チームとして一番欲しい結果を、一番欲しいときに。
"家族愛"だとか"弟に刺激を受けて"だとかメディアは書き立てますが、俊幸自身が昨季の経験を糧にして成長しているにほかなりません。
白崎、翔など、同じポジションを狙うライバルの存在も大きいでしょう。
そんなライバルたちが、4日のナビスコ杯では総入れ替えのような形で起用されるとのこと。
プロ契約を果たした石毛に注目が集まりますが、大事なことはしっかり"結果"を残すこと。
4日にはおそらく満開を迎えているであろう日本平の桜のように、エネルギー溢れるサッカーを展開してほしいところです。
今の清水には、"もってる男"の存在が必要です。
流れをぐっと引き寄せる、チームを変えてくれる男の存在が。
昨日の大悟のような、俊幸のような存在が、もっともっと出てきてほしいものです。
4日の試合は参戦できませんが、その結果を楽しみにしたいと思います。
もちろん、ジミーにも期待しています。
でも、時間はかかるかもしれません。
みなさん、もう少し冷静で温かな目で彼を見てみませんか?
『J1第4節 札幌戦@アウスタ 帰路』(2012/3/31)
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at 15:18, macotobatten, 試合 参戦後記
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