2011.08.19 Friday
記者会見からカルフィンを考える
JUGEMテーマ:清水エスパルス
『カルフィン ヨン ア ピン選手 新加入記者発表』(清水公式HP)
『「エスパルスVが目標」DFヨンアピンが入団会見』(静岡新聞)
このブログでは、彼についてこれまで3本の記事をアップしてきましたが、その3本のアクセス数の総数が6千を超えようとしています。
『カルヴィン・ヨンアピンのキャリアとプレー』(2011/8/9)
『三保の風景(8/10) 〜ヨンアピンに会ってきた』(2011/8/10)
『三保の風景(8/14) 〜カルフィン実戦デビュー』(2011/8/15)
これは、岡崎慎司移籍問題のときや、磐田弾幕事件のときのそれを上回る数字です。
先日の大宮戦こそ快勝を果たし、連敗を止めはしましたが、彼が来日するという報道がされたときにはチームが危機的状況にあったので、彼に対する期待度は相当なものがあったはずです。
また、ゴトビ体制になってからの本格的な補強は今回が初めてということで、これまで限られた戦力の中でやりくりをしてきたチームに、"ゴトビ色"のある新戦力が加わるということは非常に興味深いものでした。
さらには、それが外国籍の選手で、しかも元五輪代表とはいえ、日本人にとってはあまり知られていない選手であったわけで、その未知数のスキルに対して期待は膨らむばかりでした。
静岡新聞の記事によれば、「20日のC大阪戦からベンチ入りする予定」とはっきり書かれており、公式戦直前の情報漏えいという点からみればおいおいって感じもするわけですが、先日のサテの練習試合(vs富士常葉第大学)には出場していなかったので、おそらくそうなるのでしょう。
非公開練習の中でどんな練習が行われているのかは定かではありませんが、少なくともそれまではコンディション調整や左SBとしての練習が中心でしたので、C大阪戦では宏介のバックアップとしてベンチに入ることになるのでしょうか。
仮に非公開練習の中でボランチを試していれば、サプライズとしていきなりの先発出場を果たす可能性もあるかもしれません。
ただ、浩太にしても、大悟にしても、トップ合流で即スタメンということはなかったので、彼の場合も徐々に出場時間を増やしていくのかもしれません。
昨日の記者会見の内容から、これまで見えてこなかった部分がかなりはっきりしてきました。
「いつから彼に接触し、移籍交渉をしてきたのか」
0-4の3連敗という歴史的連敗を繰り返している半ばでの報道だったので、彼を獲得するに至った経緯が非常に気になっていました。
竹内社長のコメントによれば、それは連敗が始まる前とのこと。
新の戦線離脱については触れていませんが、今季の復帰が厳しい状態であるということも大きかったと想像できます。
連敗を受けて慌てて補強をしたのではなく、じっくりと検討を重ねた上での補強だったということで、安心しましたし、そういった経緯で獲得したいと判断された彼にはさらに期待をしたくなります。
「彼はなぜ清水エスパルスを選んだのか」
記者会見によれば、デンマーク、スウェーデン、ギリシャなどの国からオファーがあったようで、一部報道ではオランダ国内のアヤックスやフェイエノールトも興味を示していたとか。
そんな中、なぜ彼がアジア最東端の日本、しかも長い間タイトルから遠ざかっている清水エスパルスを選んだのか、それは気になるところでした。
彼のコメントの中には、クラブの環境や日本のサッカー文化についても触れてはいますが、一番の要因は、つまりはゴトビ監督がいるからということのようです。
オランダ人にとってはヒディンク氏はカリスマ的な存在であり、そのヒディンク氏と深い信頼関係で結ばれているゴトビ監督のもとでサッカーをしたいという想いが、彼のコメントから伝わってきました。
また、これは単なる想像なのですが、清水が4月に慈善試合としてオランダに赴いたことも、彼にとっての清水エスパルスの存在を大きくするきっかけになったのかもしれません。
もしそうだとしたら、多くの義援金が集まったこと以外にも意味のあったオランダ遠征であったといえると思います。
「彼の性格及びサッカースタイルは」
彼が記者会見で発した言葉を読む限り、彼は非常に高い向上心をもった選手であると思いました。
そして、謙虚でありながらも、自分のストロングポイントを十分に理解しており、それをアピールすることがサッカー選手として大切なことだということをよくわかっています。
一見自信家にもみえますが、その言葉からは、自分は清水で勝負をしに来たということ、さらなる成長を目指していることが、ひしひしと伝わってきます。
それは、小野とも、タカとも、永井さんとも、エディとも違うスタイルであり、25歳という若さながらに、今後の清水に新たな風を吹き込むリーダーシップを発揮してくれる予感を感じさせてくれます。
ただ、彼の言うストロングポイントがその通りであるかどうかについては、実際に彼のプレーを見てからの判断になるでしょう。
「ゴトビ監督は彼をどのポジションで使うつもりなのか」
おいらが一番気になっていたのは、彼の起用方法。
おそらく彼の獲得に動いていたであろうひと月ほど前、ゴトビ監督が"意外なポジションで補強を考えている"と発言したことがありましたが、もしかしたらそれが彼のことであり、そのポジションとは、宏介という絶対的な選手が存在する左SBだったのかもしれません。
今後、リーグ戦と並行してナビスコ杯や天皇杯を戦う中、宏介が出場停止になったり、負傷したり、コンディションを落としたりすることは十分に考えられます。
宏介以外ではチーム唯一の左SB専科であった新が離脱している中、そのポジションの補強を考えるのは当然だと思います。
さらには、貴重な資金を費やして補強をするならば、できれば他のポジションでも起用したいと考えるでしょう。
ただ、彼がボランチやCBもこなせるということは聞いていましたが、ゴトビ監督にそれらのポジションで起用する気がなければ意味がないわけで、だからこそゴトビ監督の考えを知りたかったのです。
彼のコメントの中に「ゴトビ監督からはボランチのポジションでも期待されています」とあります。
"ボランチができる"というのと"ボランチでのプレーを期待されている"というのとでは、意味が違います。
これはおそらく、彼が直接ゴトビ監督から言われたことだと思いますし、ゴトビ監督の考え方を知る重要な部分だと思います。
オランダと日本では、サッカーのスタイルもフィジカルも異なりますので、彼がJリーグにおいてどのポジションが適正なのかは未知の部分といえると思います。
できることなら、左SB以外での才能を開花させ、清水でもうひと回り大きく成長してほしいと思います。
公式HPにプロフィールもアップされました。
まあ、新しい情報は足のサイズと兄弟構成くらいですけど…。
『トップチーム選手・スタッフ プロフィール カルフィン ヨン ア ピン』(清水公式HP)
『頂からエスパルス愛を込めて』(2011/8/18)
『絶対に負けられない理由』(2011/8/17)
『三保の風景(8/14) 〜カルフィン実戦デビュー』(2011/8/15)
at 11:23, macotobatten, 補強・育成
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