2013.12.01 Sunday
最高到達点 〜 J1第33節 仙台戦@ユアスタ 後記
JUGEMテーマ:清水エスパルス
ベガルタ仙台 1-2 清水エスパルス(前半0-2)
【得点】
15分 伊藤 翔(清水)
34分 ラドンチッチ(清水)
54分 ウィルソン(仙台)
【出場選手】《清水のみ》
GK 櫛引 政敏
DF 吉田 豊
(→87分 MF 高木 純平)
DF 杉山 浩太
DF ヨンアピン
MF 石毛 秀樹
(→81分 FW 村田 和哉)
MF 本田 拓也
MF 村松 大輔
MF 高木 俊幸
(→61分 MF 河井 陽介)
FW 大前 元紀
FW 伊藤 翔
FW ラドンチッチ
【警告・退場】
05分 蜂須賀 孝治(仙台)警告1
75分 杉山 浩太(清水)警告1
90 3分 大前 元紀(清水)警告1
90 5分 櫛引 政敏(清水)警告1
【主審】
山本 雄大
==========
プレビューで触れた河井と竹内は、共にベンチスタートでした。
代わりにこの試合のヒーローとなったのは、天皇杯で結果を残せなかった伊藤とラドンチッチ。
思えば、ゴールという点においては、この二人が決めることが一番のチームの活力になるのかもしれません。
天皇杯では、多くのチャンスを得ながらも、ゴールを奪えませんでした。
敗因の全てが彼らにある訳ではありませんが、結果的にスコアレスだったことは、チームの敗退につながりました。
この試合では、そのリベンジを果たしたということができると思います。
立ち上がりから、互いにミスの多い試合でした。
滑りやすいピッチに低い気温。
安易なボールロスト、不用意なパス。
そこから互いに、試合開始早々から大きなチャンスがありました。
清水が挙げた2ゴールも、相手のミスがきっかけでした。
それでも、この日の清水はとにかく中盤から最終ラインが安定していました。
特に中盤。
大輔と拓也のコンビは、ほぼ完璧な連係。
二人の距離感、飛び出すタイミング、いずれも、TVで観ていてその間を抜かれる気はしませんでした。
前半は、この中央に仙台がチャレンジを仕掛けてきましたが、その度に二人が立ち塞がりました。
最終ラインが体を張らねばならないシーンは、前半のうちはそれほどなかったと思います。
攻撃においては、各選手が非常に流動的にポジションを変えている印象がありました。
それは大宮戦とは実に対照的で、おそらくこの一週間で修正してきた点ではないかと思われます。
トップ下に伊藤が入った訳ですが、彼が相手にとって非常に中途半端な位置でボールを貰おうとするために、相手のボランチが何度も引っ張られていました。
その結果、たびたびバイタルエリアにはスペースが生まれていました。
そこに俊幸や元紀が走り込み、いい具合に相手を揺さぶることができていました。
いつもなら前線に張りがちなラドンチッチも、この日はプレー範囲が広いように感じました。
彼がハーフライン辺りから前線の俊幸に向かってフィードパスを出したシーンがありましたが、これまでには考えられない光景でした。
(いいシーンとはいえませんが、押しこまれている時は一時的に彼が最終ラインに入っていた場面もありました。)
また、左サイドの俊幸と吉田の関係も非常に良く、互いにスペースを上手く作って攻めの形を作っていました。
2ゴールともに、ゴールからはやや遠目の位置からのシュート。
他の選手であれば、シュートをためらったかもしれません。
ストライカーである彼らだからこその、見事なゴール。
決めるべき選手が決めたゴールだと思いました。
特に、2点目のラドンチッチのシュートは、伊藤がフリーでありながらの強引なシュート。
"これまでのルール"に従えば、パスを選択すべきシーン。
あそこで撃つ選択ができること、そしてそれを決めることができること、さすがです。
PKによる失点と吉田の負傷交代を除けば、清水にとってプラン通りの試合展開であったと思います。
あまり手数をかけずに、素早く相手のゴールに迫ること。
そして、先制点を奪うこと。
その後は引くことなくチャレンジを続け、なるべく早い時間帯に追加点を奪うこと。
中央はダブルボランチがしっかり固め、両サイドは上がり過ぎずにしっかり裏をケアすること。
思った以上に仙台のプレスが弱かったこともありますが、淡々と2ゴールを奪い、試合の主導権を握ることができました。
後半に入り、相手が中盤を省略し、どんどんサイドにロングボールを入れるようになると、やや押しこまれるようになります。
清水にとっての嫌なサッカーを、後半になってからようやくやってきたという感じです。
前線の動きも少なくなり、セカンドボールも拾いにくくなったので、仙台がボールを持つ時間が増えていきました。
相手のプレッシャーを受け流すことができず、余裕をもったボール回しができなくなります。
守備ラインを下げてはいけないとわかってはいても、それでも徐々にラインが下がっていくという、危険な状況。
大宮戦でもそうでしたが、今季の清水の大きな課題の一つです。
PKからの失点を許した後、ゴトビ監督の打った手は、俊幸→河井の交代。
交代直後は、俊幸の位置にそのまま河井が入りました。
しかし、数分後に吉田を右SBに回し、河井が左SB、石毛が左WGという形に変更。
このチェンジが予定通りなのか、あるいは咄嗟の判断だったのかはわかりませんが、いずれにしても、ウィルソンにやられ気味だった右サイドのケアには成功していたし、相手にとってもこういった流れの中でのチェンジは嫌なものであったでしょう。
さらに、今度は石毛→村田として村田を右サイドへ。
これにより、相手がサイドの攻撃に人数をかけにくくなったと思います。
実際、村田がボールを持ったら、仙台の選手は2人ついていかざるを得ませんでした。
おそらく、本来の3枚目の交代カードは竹内だったと思われます
伊藤のところに彼を入れ、高い位置でボールを収める役割が与えられたでしょう。
あるいは、カウンターを狙うのであれば、元紀をトップ下にしたかもしれません。
吉田の負傷交代により、3枚目のカードは純平となりました。
彼を投入する予定はなかったかもしれませんが、彼がベンチにいてくれて良かったと思える試合でもありました。
経験豊富な彼がピッチに入ったことで、吉田不在の不安は一切ありませんでした。
非常に頼もしく感じました。
これで、勝ち点は50に到達。
ゴトビ監督になってからの最高値を更新しました。
もちろん、この数字に満足はできないし、まだあと1試合残っています。
目ざすは、勝ち点53、そして賞金圏の7位。
さらなる最高到達点を目ざし、残り1週間を戦い抜いていってくれるでしょう。
今季6ゴール目を挙げた伊藤についても同様。
彼にとってはこれまでのキャリアでの最高値。
しかし、これで満足できるという数字ではないでしょう。
来季の爆発に期待しつつ、先発出場が濃厚な最終節においても、その記録を更新してもらいたいものです。
青ユニの最後を勝利で締めくくることができて、よかったです。
『ヒーローになる為に 〜 J1第33節 仙台戦@ユアスタ 展望』(2013/11/28)
『最後の青ユニフォーム』(2013/11/26)
『キャラの初ゴールと左SB』(2013/11/25)
at 22:17, macotobatten, 試合 後記
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